その17 「化け物退治終了」
作「シグレくん。奈落の底に落とした犯人、なんでぶっ殺しに行かないの?」
シ「読者からの質問か? 敵がバケモンみたいに強かったらどうすんだよ。」
作「邪神倒せんだから、大丈夫でしょ。」
シ「あのドラゴンの事か? あんなの弱いほうだろ?」
作「(邪神の中でもかなり強いほうなんだけど、比較対象がいなくて分からないんだな。後、むちゃくちゃ用心深いな、まぁ、今回のお話しで物語進むから、いいか!)」
「ゲハハハハ! キサマラデハ、オレハタオセンゾ!」
「それは、どうかな? “剣技”蝶突星舞」
ジークが、化け物になった杉原へ向けて、舞うような連撃をしかける。だが…………
「ムダダァァァ!」
「なっ!? ぐっ!」
杉原が無造作に腕を振るい、ジークを吹き飛ばす。
「ジーク! 大丈夫!?」
「あぁ、でもコレはキツいね。不完全体がここまで強いとはね。」
「不完全体ってなんだ?」
「えぇと………って、それより話してて大丈夫?」
「ローズが押さえてる。」
こちらにやってくる化け物を、ローズが押し止める。化け物が攻撃するが、そんなモノなんのそので簡単に耐える。
「で? 不完全体って?」
「邪人………というか“邪に堕ちしモノ”は、10日程の初期状態の後、完全体になるんだけど、ほとんどのモノは完全体になれずに、あの化け物みたいになる。それを、不完全体と呼ぶんだ。あぁなったら、一週間程で死ぬんだけどね。」
「なっ!? なんとか元に戻せないのか?」
「無理だよ。邪人になった時点で、死んだようなものだよ。今までに何人もなんとかしようとしたけど、無駄だったんだ。」
「そう………か。」
杉原………一組の奴で、少ししか話した事はなかったが、それでも知り合いだ。
「……………やるか。」
もう助からないなら、さっさと止めをさすのがいいだろう。
「シア!」
「はい!」
武器化したシアを握り、一度深呼吸。すぅーー、ハァーー。よし!
「ローズ!」
「…………!」
俺の事を聞いたローズが、避けて道を開く。
「コンドハキサマカァァァ?」
「…………じゃあな。」
『【属性変換】聖。』
俺の気持ちをくみ取ったのか、属性を聖に変換するシア。
「【バースト・スラッシュ】!」
空色に輝く剣を横に振るい、斬りかかる。身体の中心辺りに剣がきたところで、剣を中心に輝く爆発が起こる。
「ゴブァァァ!!!」
化け物になった杉原が、爆発に包まれて塵になる。何もなくなった場所で佇む。覚悟はしていたが、嫌な気分だ。最悪だ。
「…………後味悪いな。」
◇
「大丈夫かい? レインくん。」
「ジークか………まぁな。」
正直言うと、未だに気分が悪い。化け物になった杉原を倒した俺達は、生き残っている盗賊達を、外に引っ張り出した。何人かの盗賊は、どうやら杉原が殺してしまったようだ。んで、暫し外で休んでいく事になった。
「実はね、僕も邪人を一度だけ倒した事があるんだけどね。知り合いの冒険者だったんだよね、倒した後は、暫く食事が喉を通らなかったよ。」
「そうか………」
「まぁ、そうなるのは、人間としてちゃんとしてるって証拠だから。」
「ありがとな。」
「いやいや。」
「…………。」
「…………。」
「………なぁ。」
「なんだい?」
「邪人って、どうしたらなるんだ?」
「邪人っていうのは、邪神や、その眷族に誑かされると堕ちるんだよ。」
「そうか。」
「どうしたんだい?」
「いや、次に行くべき場所を決めただけだ。」
もし…………もしも、杉原を堕とした奴と、俺を奈落の底に落とした奴が繋がってるとしたら? 二組の皆なが危ない。だとしたら、行くしかない。どうせ、二組の連中には会いに行く予定だったからな、次の目的地は王都だ!
「それより、シアくんが剣になってたけど、あれは?」
「…………そういうスキルだ。」
「ふーん。他の二人も同じスキルを?」
「…………さぁな。」
「そっか。まぁいいけど、盗賊達を運ぼうか。」
「だな。」
立ち上がり、盗賊達を荷車に乗せているシア達の元へ向かう。
この後、俺とジークはアシュレとテノに正座させられて、説教されるのだが、それは割愛する。
幕間と、とあるモノを挟んで、“ロードル解放編”が始まります。




