その16 「盗賊退治決着。そして………」
「な、なんだぁ!」
「ふっ!」
「ごぶぁ!」
「安心したまえ、峰打ちだ。」
レイピアで、峰打ちってどうやるんだ? 疑問に思うがとりあえず、俺も峰打ちで盗賊を気絶させていく。ちなみに、今使ってるのは、貰った例の刀だ。銘を聞くのを忘れたが、なんと言うのだろう?
「その刀買ったんですか?」
「いんや、貰った。」
「かなりの業物みたいだけど?」
「だよな。」
アシュレの質問に、刀を見て言葉を返す。この刀めちゃくちゃいい刀なのだ。飾られていた武器よりいい刀だ。
「まぁ、貰ったからにはしっかり使わないとな。」
にしても、倒しても、倒しても沸いてくるな。盗賊を気絶させる役を、俺、シア、アシュレ、ジーク、イズハが担当し。後の二人、ローズとテノは、気絶した盗賊を縛る役をやってくれている。
「うーん。そろそろ、親玉が出て来てもいいんだけどね。」
「そうだな。」
わらわらと寄ってくる盗賊達を倒しながら、先へと進む。
途中、牢屋や宝物庫てきな部屋もあったが、とりあえずおいておいた。そして、ついに親玉っぽいのがいる部屋にたどり着いた。親玉はまさしく親玉という感じの、デカイ男だった。その隣にはひょろ長の男もいる。
「侵入者か?」
「どうやら、そのようですねぇ。」
「おいおい、いい女が四人もいるじゃねぇか。こりぁ、ラッキーだな。」
「グフフフフ。そうですねぇ。」
七対二の状況で、勝てると思ってるのか?
「グフフフフ。先ずは、小手調べ。私の魔法をくら「せいっ!」ぐぼぁ!」
「なっ!? 参謀! てめぇ、よくも「煩い。」がべっぱぁ!」
「「「「え?」」」」
シアがひょろ長の男を一撃で無力化し、それにキレた親玉をアシュレが吹き飛ばし、壁に叩きつけて、倒してしまった。あっけなさすぎだろ!
「うーん。なんだか、腑に落ちないね。」
「強いとは思ってたけど、これ程とわね。」
「俺らいらなかったんじゃね?」
いやいや、確かに俺達だけでも退治出来ただろうけど、三人がいたからスムーズに終わった。
「ん? 誰か来るな。」
イズハが突然そんな事を言い出した。盗賊の仲間かな?
「何人だい?」
「一人だ、だがこの気配は━━━ッ!?」
突然熱気が来たと思ったら、俺達が通って来た通路から、爆炎が蛇のように襲いかかってきた。
◇
「あれ? なんともないわよ?」
「本当だ、いったい何が?」
「見ろ、確かローズだったっけ?」
その通り。爆炎はローズの【城盾結界】によって、無効化された。流石の防御力だ。
「全員生きてるなんて、運がいいなぁ。まぁ、何故か捕まっていた盗賊達で、事足りたんだけどね。」
現れたのは━━━
「杉原?」
小さく、呟くように言ったため、誰にも聞かれなかった。なんで、こいつがここにいる? しかも、俺達に向ける目は濁った赤紫色だった。いやな感じだ。
「邪人? なんで、こんなところにいるの?」
「盗賊退治に来たたけなのに、もっと危険な敵が現れたね。」
「なんだ、その目は? ムカつく、ムカつくなぁ。今の俺は、今までの俺とは違うんだよぉ!」
「ふむ。僕が行こう。」
ジークが一瞬で杉原の前まで行き、その胸にレイピアを突き刺す。
「いてぇじゃねぇか!」
「ふっ。“剣技”雀蜂水閃」
ジークは今度は首にレイピアを突き刺す、いや、ただ突き刺すだけじゃない。一瞬で二回突き刺していた。かなりの技量がなければ、無理な技だ。
「ぐあぁ! くそっ! くそっ! こんなところで、死んでたまる、ぐぁぁぁぁぁ!」
突然杉原が苦しみ出し、それと同時に身体が膨らんでいく。
「なんだ?」
「これは…………」
身体が膨らんだ杉原は、元の原型を留めていなかった。濁った紫色の身体にたるんだ肉。禿げた頭からは、赤黒い角が延びていて、濁った赤紫色の目でこちらを見て、その口を歪ませ嗤った。
「ゲハハハハ! コノチカラサエアレバ、オレハムテキダァァァァ!」
悪魔のようなその存在は、俺達を見下しさらに嗤った。
邪人登場~。さてさて、レイン(シグレ)達の運命やいかに!?
ちなみに、“剣技”雀蜂水閃は、個人的に好きな技の一つです。




