その15 「盗賊退治………始まり」
呼び止めらたので、声がした方。後ろを振り向くと、緑色の長髪に、切れ長の緑色の瞳。スーツのような衣服を着て、レイピアを腰に差し、腕を組んで微笑む人物。見ようによっては女のようだが、どうやら男みたいだ。喉仏あるし。
「話は聞かせてもらったよ。その正義感は評価に値するが、無茶は勇気とは違うよ、止めておいたほうがいい。」
どうやら、忠告をしてくれたようだ。
「そうか、忠告ありがとう。」
「ふむ。どうやら、諦めていないようだね。なら………」
忠告してきた男が、こちらに踏み込みながらレイピアを抜き放ち、突きだしてくる。貰った刀ではじこうとしたところで、ローズが割り込んで来て、盾でガードする。そこを狙ってシアが斬りかかるが、男は、レイピアで上手く受け流して、俺達から距離を取り、レイピアを鞘に戻した。
「ふむ。無茶でも勇気でもなかったようだね。その腕があれば、ランク4の依頼は、簡単に達成出来るだろうね。」
「そうか?」
「あぁ、そこで相談なんだが、僕は高ランク冒険者でね。一時的に僕とパーティーを組んで、依頼を正式に受けるのはどうかな?」
確かに、パーティーの中に一人でも受けるランクより高いランクの冒険者がいれば、ランク1の冒険者が、ランク4の依頼を受けられるだろう。
「そうだな。それじゃあ━━」
「何勝手に決めてるのよ! このバカ!」
━━宜しく。と、言おうとしたところで、何処からともなくやって来た、赤い目で、赤い髪をショートカットにした、ローブを着た少女が男を蹴り飛ばした。
「な、何するんだい? テノ。」
「何するんだい? じゃないわよ! 今日は自由行動でしょ!」
「だから、依頼を受けようと━━━」
「アンタ一人じゃ、面倒な事になるから、私もイズハも、必然的に行かなきゃ行けないじゃない!」
「そ、そうは言っても━━━」
「と・に・か・く! 今日は━━━」
「もういいんじゃないか? こうなったら、そいつは意地でも行くぞ。」
続いて、眠そうな茶色の目に、ボサボサの茶色の髪をした男が出てきた。三人パーティーなのかな?
「………はぁ。分かったわよ。」
「本当かい!? 二人共ありがとう!」
どうやら、話はまとまったようだ。
「あぁ! 申し遅れたね。僕はクラン〈銀風の鈴〉のメンバー。ジークアルムだよ。ジークでいい。」
「私は同じく〈銀風の鈴〉のテノ。宜しくね。」
「二人と同じ〈銀風の鈴〉のイズハだ。」
「俺はレインだ。」
「剣乙女シアです! 宜しくお願いします!」
「斧槍乙女アシュレよ。宜しく。こっちは、双盾乙女ローズ。」
「…………。(ペコリ)」
三人共、○○乙女のところで首を傾げていたが、二つ名みたいなモノだと誤魔化しておいた。
「さて、今回退治する盗賊だが。最近この辺りを根城に活動しているらしい。アジトは、近くの森の中にあるそうだ。とりあえずは、そのアジトまで行こう。」
アジトが分かってるのに、なんで誰も受けないのか疑問だったが、盗賊団の規模や、アジトの場所を調べた結果。ランク4そうとうだと分かったかららしい。なんと、この町に定住しているランク4以上の冒険者はいないらしい。皆な、迷宮があるような場所にいるらしい。迷宮が何か気になったが、また今度調べる事にした。
そうこうするうちに、盗賊団のアジトに着いた。アジトと言っても、洞穴だけど。そして、洞穴の前には見張りが二人程いた。
「俺の出番だな。」
イズハはそう言うと、闇に紛れるように移動し、音もたてずに見張り二人を無力化した。凄いな。
「イズハはヤマテア出身なんだけど、そこの特殊な職業の………なんだっけ? 確か、“影者”って言う。隠密や、暗殺に特化した人達に育てられたらしいわ。」
テノが、イズハについて教えてくれた。忍者みたいなモノかな? それと、ヤマテアというのは、この世界にある大陸の一つらしい。他にどんな大陸があるか、今度調べてみよう。
「さぁ、行こうか。」
「だな。」
そして俺達は、洞穴の中に入り込んだ。
〈銀風の鈴〉のメンバーが出てきましたね。『無能? いいえ、最強無敵です!』を読んでる人達なら、他のメンバーも知っているでしょう。地味に登場回数の多いクランの一つです。




