その13 「乙女達の休日」
前回に引き続き、アシュレ視点です。
誰も来てないわね。
「ふぅ。」
「アシュレちゃん。一気に人気者ですね!」
「…………。」
「まったく嬉しくないけどね。」
私はシグレに嫌われなければいいし………は! 今のは無し。今のは無し。あんなバカ好きじゃない! 嫌いでもないけど……
「アシュレちゃん。ローズちゃん。あそこ行きましょう!」
「…………。(コクコク)」
「うん? 服屋?」
「はい! 戦闘服はありますけど、普段着はありませんから!」
「成る程ね。」
ゲームに服はあるけど、こっちの服が気になるし、いいわね。
シア、ローズと一緒に、服屋に入る。
中には、色とりどりの服がたくさんある。
「いらっしゃいませ。」
「私に似合う服をお願いします!」
「かしこまりました。そちらのお二方はどうしますか?」
「…………。(ふるふる)」
「そうね。私とこの娘は自分で選びます。」
シアのセンスは、自他共に認めるほどに壊滅的なので、早速店員さんに選んでもらうようだ。ローズは、基本的にワンピースしか着ない。私は適当に気に入ったモノを選ぶ。
「うーん。コレと、後は………コレかな。」
とりあえず、今から着るモノと、予備の服を選んでおく。ちなみにお金だけど、ゲームの時のお金が両替されて、手元にある。皆なで分けたモノの私の分。シグレには内緒にしている。
試着室に入って、服を着る。………よし!
「…………。」
「お待たせローズ。似合ってるわよ。」
「…………。」
『アッシューも似合ってるよー♪ (*≧∀≦*)<ステキ~! キャー!』
相変わらずね。
「どうですか! 店員さんが本気で選んだ服は!」
「似合ってるわよ。」
「…………。」
『店員さん分かってる~♪ ( ・∇・)<流石!』
その他も、幾つか服を買った私達は、服屋で着た服のままで、町に繰り出した。
「うん? なんか、見られてますね。」
「…………?」
「それも、男性ばっかり。何かしら?」
不思議に思いつつも、歩いて行く。
「ふん♪ ふん♪ ふーん♪」
「…………♪」
『ふん♪ ふん♪ ふーん♪』
「スケッチブックに書く感じなのね。」
いつも通りの二人と、知らない道を歩く。他の皆なとも歩きたいなぁ。………ついでにシグレ。
「可愛い娘ちゃんはっけーん! 俺らと遊ぼうぜぇ~。」
「うっわ。三人とも美少女~。」
「楽しみだなぁ~。」
何この頭悪そうな三人組は、キモい。気配がキモい。存在がキモい。
「この人達、前にギルドで自分達のこと勇者って言ってた人達です。(ぼそぼそ)」
「そう言えば、そうね。(ぼそぼそ)」
「何々? 内緒話?」
「キンチョーしてるのかな?」
「ほら行こうよ!」
一人の男がローズの腕を掴む。あ、やっちゃったわね。
捕まれた腕を無造作に払ったローズは、スケッチブックに文字を書いて、相手に見せた。
「…………。」
『きやすく触らないで欲しいなー。
社会のゴミ×3 (*`Д´)ノ!!! そのキモさでよく私達に釣り合うと思ったよね。さっさと肥溜めに帰ってよー!(笑)』
ローズは誰に対しても、このスタンスなのよね。怒らせると、無表情で延々スケッチブックで説教するし。
「なっ!? 俺達は勇者だぞ!」
「…………。」
『えっ!? こんなゴミでも勇者になれるの? じゃあ、猿は神様だね~。(*´∀`)<プークスクス。』
「て、てめぇ!」
勇者が三人揃って剣を抜刀し、ローズに切りかかる。ローズにそんな攻撃効かないのに。
『バキンッ!』
「「「なっ!?」」」
「…………。」
突如として、ローズの前に巨大な盾が現れ、それに当たった相手の剣は、根元からポッキリ折れた。流石の鉄壁ね。
盾をしまったローズが、スケッチブックに文字を書いて、相手に見せる。
「…………。」
『そんなナマクラじゃ、傷一つつけられないよーだ!
(  ̄▽ ̄)<ドヤァ!』
「くっそ!」
「覚えてやがれ!」
「今度は、目にもの見せてやる!」
無理だとおもうけど、精々頑張ることね。
バカ三人を撃退した私達は、再び観光に戻った。
食材を見たり、靴をみたり、また服をみたりして、過ごした。そして、十二時もちかづいてきたので、そろそろ宿に戻ることになった。




