その11 「料理と双盾乙女」
アシュレが言う食材や、調理器具をアイテムボックスから出していく。あまり、地球の食材と変わらないな。たまに、変な食材もあるけど。
「にしても、ぷりんフォルダってなんだ。ぷりんフォルダって。」
「アリアちゃんが作ったやつですね。」
「こんなに大量には、作りおきしてなかったと思うんだが?」
「この前、アリアちゃんがリムさんに、作ってもらってました。」
「こんなに大量にか?」
「はい。こんな感じでした!」
『リム。お願い。』
『くぅ! いくら、アリアちゃんの頼みとはいえ、それは駄目よ! 一日二個って、約束したじゃない。』
『ダメ?』
『かはっ! 目をうるうるさせて、首を傾げても駄目よ!』
『お願い。リムお姉ちゃん。』
『ズッキューン』
『はぅあ! そ、それは反則だよぉ。』
『アリアお姉ちゃん。作って、くれる?』
『いいよー! いくらでも作ってあげちゃう!』
「リムは、ほんっと、子供に弱いな。」
「ま、それがリムのいいところでしょ。」
「ですね!」
そうなんだが、だからって作り過ぎだと思う。その後は、アシュレの料理が出来るのを待ちながら、アイテムボックスの整理をする。自由に使い過ぎだろ、『女王様フォルダ』に、『忍具・暗器フォルダ』、『本フォルダ』って、人に見られたら勘違いされそうなのも、あるじゃねぇか!
一人、アイテムボックスを見ながら、心の中でツッコンでいると
「出来たわよ!」
「ふわぁ~。美味しそうです!」
「凄いな。」
野菜いっぱいのコンソメスープに、魚のムニエル、そして、焼きたてのパンだ。
「このパン。なんで、焼きたてなんだ?」
「出来たてを、アイテムボックスにいれといたのよ。アイテムボックスの中は、時間が経過しないから。」
「成る程。」
「ん~。とっても美味しいです!」
「ほんとだな。」
どれも凄く美味い。素材の味をいかしている。と言えば、いいのだろうか。どれも素材本来の味に、別の味付けが混ざって、味のハーモニーを奏でている。
「私も八姫もククルも、皆なリムから教わったんだけど、教え方が上手くて直ぐに上達したわ。」
「へぇ~。」
これは、八姫の料理に更なる期待が持てる。あ~、早く来ないかな~、八姫。
「マスター。顔がだらしないですよ。」
「キモい。」
「ひどっ!」
三人で雑談しながら料理を食べる。大勢で食べるご飯は、やっぱり格別だ! まぁ、先生と二人で食べるご飯も美味しいけど…………先生、元気にしてるかな。
少し、しんみりしてしまった。まぁ、地球に帰るつもりはないし、帰れるとも思ってない。これについては、確証があるわけではないが、二組の皆に覚悟はしておくように言っておいた。
美味しい料理というのは、あっという間に終わってしまうもの。気づいたら、食べ終わっていて、三回おかわりしてしまっていた。
「よぉーし! ご飯も済んだし、三人目を召喚するか!」
「今ですか?」
「早いわね。」
「まぁな。」
慣れた手つきでスマホを操作して、召喚を始める。シアや、アシュレの時と同様の光から現れたのは、白髪を後ろで三つ編みにして、切れ長の碧眼をし、身体にぴったりと合う鎧を着た女性。双盾乙女ローズだ。
「…………。」
「ローズちゃん! 元気でしたか?」
「ローズ。調子はどう?」
「…………。」
シアとアシュレの問いに、コクリと頷くローズ。相変わらず無口だな。
「よっ! ローズ宜しくな。」
「…………?」
俺を見たローズが首を傾げる。
「…………。」
「ん? あぁ、コレの事か。色々とあって、正体がバレないようにしてる。このお面を着けてる間は、レインって名乗ってる。」
「…………。」
納得したように頷くローズを確認し、今度は、ローズのステータスを知るために、スマホの『ステータス』をタップする。
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【名称】ローズ
【武器系統】盾系
【等級・武器】神器
【等級・人間】神話英雄
『耐久値:7千万/7千万』
『攻撃力:D』
『切れ味:━』
『硬度:EX』
『重さ:特大』
≪保有能力≫
【硬度強化:神極】【重力操作】
【反射攻撃:衝】【魔法反射:大】
【守護移動:範囲神極】【城盾結界:耐久神極】
【自己修復:大】
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うん。相変わらずの防御特化だな。ローズはゲームでもよく使う、盾系統の乙女だ。一番の防御力を持つが、まったくと言っていいほど、移動出来ない。だがしかし、それを改善したのが【守護移動】だ。これは、一定範囲内の味方の側に、瞬時に移動出来るという能力だ。これに、何度助けられた事か。
とにもかくにも、心強い味方が来た。まぁ、とりあえず今日は、日も落ちてきたし、町に戻るとしますか。
調理器具を片付けた俺達は、町に向けて歩き始めた。
作「ローズが加わりましたね。」
シ「優秀な盾系統の乙女だな。」
作「ちなみに双盾とは、二つで一つの盾です。これを両手に持ち、ガードするわけですが。この二つを合わせると、一つの巨大な盾になります。」
シ「あまり、見かけない盾だな。」
作「というか、二次元特有の盾だと思います。」




