空が曇ってても良いじゃない-1
突然だが朝は必死になる時間だ。正しくは登校時間との戦いだ。少なくとも主人公こと高校一年生の生徒は朝きちんと起きることができるような人種ではなく、急ぎめに自転車のペダルを漕ぐ側の人間だった。若葉が春の訪れを喜ぶ晴れた通りを自転車で駆けていた。
「おっと、変わっちまったか。」
少し急ぎめであっても信号は守る。この少しの間を呼吸を整えたり、周囲を見て気を落ち着かせる時間にすれば、損はしないだろう。そう言い聞かせながら額に浮かぶ汗を拭っていると妙に目を引く落ち物に気付いた。
向かい側の赤信号の立っている柱の下に真っ白の毛玉。しかも、地味にサイズがある。小学生のランドセル位だろうか、大きめだ。しかし、ガードレールで隠れて見えづらい。
「・・・・・・ん、青か。」
頭の中から登校時間だけが先に学校へと向かい、残った体は信号の下で毛玉を抱え上げていた。
「ひとまず、見える場所に置いておくか。」
見たところ白い毛玉に汚れはなく、転がっていた時間は短いように思えた。
白い毛玉を抱えて自転車を押してすぐ近くの公園へ向かった。
春の暖かな日差しが差し込むなか、日向に毛玉を放置するわけにもいかないためベンチを見渡した。幸いにも木陰のベンチは空いており、毛玉をそこに下ろして一息ついた時だった。視界のすみを素早く走る影がいた。
思わずそちらを見ると、騒ぎ走る小学生たちの笑顔と公園の時計が見えた。8時15分。
「っち、かったるいな。」
自転車を漕ぐ速度を倍に、疲労度も倍になることが確定した瞬間だった。
|д゜)いよいよ、ストーリーの投稿です。拙くて申し訳ない。
書いては消して書いては消しての連続でBackSpaceが他のキーよりも凹んできました、早い(;´・ω・)
プロローグ後書きにもありましたように短い分を上げていく形式になると思われます。そこのところのご理解をいただけると幸いです( ^^)_旦~~
しかし、ランドセル並みの毛玉って改めて考えると大きいですね(;・∀・)
さておき、次話を楽しみにお待ちください、ではでは~(*^^)ノ