生き残りの姫
ゴォォォォォォォ!!!
燃え上がる炎の中男は走り回る。守るべき人を探して。
長い事走っていると1つの部屋に到着した。部屋の扉は燃えてしまったのか崩れ落ちており。
部屋の中から幼い少女の鳴き声が聞こえている。
「 陛下!王妃様!姫様!此方ですか!? 」
男は自分に着いて来た数名の男達と共にそう叫びながら部屋に入った。
部屋の奥では。
一人の幼き少女が床に倒れ付した父と母の背に手を当て泣いていた。
男は幼き少女に近寄り床に方膝を着くようにしゃがむ。
「 陛下!王妃様! 」
男は少女を抱きかかえるとそこに倒れる二人の背に手を当て揺する。すると・・・。
「 ん・・・。あぁ。ジャスティ・・・ 」
今は半分焦げてしまったが、おそらく元は煌びやかだったであろうドレスを纏った女性が目を開けた。
「 王妃様!大丈夫ですか!?今お助け致します!おい!王妃様を! 」
「 はっ! 」
男はすぐ後ろにいる男達に命令をするが。すぐに止められた。
「 いいえ・・・無用です・・・今助けられても・・・私はもう・・・長くない・・・ 」
「 王妃様!何をおっしゃられますか!すぐ・・・ 」
男がそこまで言うと。最後の力を振り絞るように王妃は叫んだ。
「 聞きなさい!ジャスティ・・・! 」
「 っつ・・・・・・・・・ 」
ジャスティと呼ばれる男が口を噤むと。王妃と呼ばれていた女性は横になった体制のままニコリと微笑みを見せた。
「 ジャスティ。陛下は亡くなり・・・私も助からないでしょう・・・。ですが。我が国にはまだその子セルティアがいます。その子が居る限り・・・我が海賊国家ルシーバ国の王家は途絶えません。お願いです。その子を、その子を守ってください。そしていつか。国を滅ぼした者を捕らえ。国の再建を・・・。頼めるのは陛下の親友である貴方だけ・・・どうか・・・どうか・・・・・・・・・ 」
そこまで言うと王妃はジャスティに抱かれているセルティアに触れ微笑む。だが、すぐにその腕は床にゆっくりとパタリと言う軽い音を立てて落ちた。
「 王妃様! 」
すぐ様呼びかけるがもう返事をされる事はなかった・・・。ジャスティは歯を噛み締めながら腕の中で泣いているセルティアの頭を撫でていると。後ろに控えていた男の一人は胸に手を当て一礼をし。もう一人は周りをキョロキョロ見ては。「船長!もう・・・やばいっすよ!」と外に出る事を促す。
ジャスティはすっくと立ち上がると小さな声で言った。
「 陛下と王妃様の願い・・・必ずや果します・・・この命は俺が必ずお守りいたします 」
そう言うと踵を返し元来た道を走っていく。
王妃はまだ生きていた。薄く目を開けるとジャスティに抱えられた愛する娘が彼の肩から此方に向かって両腕を伸ばして大粒の涙を流していた。
―――――――セルティア・・・私の・・・愛する娘・・・この国の希望・・・まだ貴方は幼いけれど・・・彼が一緒に居れば大丈夫・・・げ・・・んき・・・で・・・――――――――
そう心でつぶやきながら王妃もその瞳から一滴の涙を流し愛する娘に向かって力なく手を差し伸べた・・・がもう彼らの姿は遙か遠くにあった・・・。
あれから12年後。。。
「 姫ー!!姫どこっすかぁ!! 」
「 おぃ!姫はまだみつからねぇのか!? 」
「 すいやせん・・・。海の中にいるとは考え難いんですが・・・ 」
「 まったく・・・我等が姫は一体どこに隠れているのやら・・・ 」
海賊の旗を掲げた大きな船の上で今。
船員の男達が船の上を走りまわってある人を探していた。
キィ・・・パタン。
「 おい。まだ姫は見つからないのか? 」
甲板下の一番作りが煌びやかな扉の部屋の中から出てきた男は葉巻を口にくわえたままで船員たちに声をかける。
「 も、申し訳ありやせん・・・船長・・・。大勢で探してはいるんですが・・・姫様は隠れるのが相変わらず上手くって・・・ 」
一人の小太りの船員がおそるおそる船長と呼んだその男にそう報告をすると。一つ溜め息をつくと何かを言おうと口を開く。
「 おい!セル・・・ 」
「 呼んだー?ジャスティ! 」
男が最後まで言い終わる前に赤茶色の髪に青い瞳の少女が甲板上から姿を現した。
少女は甲板から階段を使わずにジャンプして降りるとジャスティと呼んだ男の目の前に立つ。
そんな少女の姿を見るなり。船長ジャスティは深い溜め息を付いてから少女に言った。
「 あー。呼んだ呼んだ。お前またそんな格好で出歩きやがって。お前は姫なんだぞ。ドレスならいくらでも買ってやってるはずだ。あれを着やがれ。そんで船の上に出るな。何かあったらどうすんだよ 」
言われるなりセルティアは自分の格好を見直してみた。下手をすれば他の船員達とあまり見分けがつかない。
「 別に良くない?動きやすいし。ロープとか登りやすいしさー 」
セルティアはそう言いながら頭の後ろで両手を組み。唇と尖らせて反論する。
「 良い分けあるかよ。ロープだって登る必要ねぇ。お前は預かりもんで海賊じゃねぇんだ。それ相応の服を着ろ 」
「 やだ 」
と二言返事で即答するとそのまま踵を返し走りだそうとするセルティアを。ジャスティは指を1度パチンと鳴らす事で船員達に捕まえさせて阻止した。
「 ちょっ!何すんの!!話せお前ら!!! 」
少女を捕まえた二人の船員は謝罪の言葉を述べた。
「 も、申し訳ありやせん・・・姫。俺らに取ったら船長の命令はぜってーなんで・・・ 」
「 船長に逆らったりしたら俺ら殺されちまいます・・・ 」
この二人の言い分は間違っていないので少女はそれ以上暴れることもなく。文句を言うのもやめた。
少女が大人しくなるのを見ていたジャスティは。
「 やっと大人しくなったか。お前らセルティアを部屋に放り込んどけ 」
「「 アイアイサー!! 」」
数時間後。。。
「 暇。甲板に出て海風にあたりたい・・・ 」
赤茶色の髪に合ったとても綺麗な色の抑え気味のドレスを纏ったセルティアは船長室のソファで寝転んだままポツリと呟いた。
執務机に向かって机に広げてある地図を見たまま視線はそのまま地図に向けたままでジャスティが返事を返す。
「 ダメだ。船の上は危ない。俺達は海賊なんだぞ。いつ襲われたっておかしくねぇんだ。船員達もお前を守りながら戦う何て事できねぇだろうしな 」
その言葉を聞くなりセルティアは勢いをつけて体を起こす。
「 戦えれば良いんだろ?それなら問題ないよ!この間ジョンにおすみつきもらったんだ!! 」
ジョンと言うのはこの船の副船長で年はジャスティより5つ上で船員の中で一番がたいが良く身長も高い。体には銃で打たれたかのような傷や切り傷。背中には刺青などが入った。どこからどう見ても怖いイメージしかない男だ。
だが、それは見た目の話しで。話してみると小さいもの好きで得に船の上の船員やジャスティの中で一番セルティアに優しくしてくれる人だ。
ジャスティはセルティアに気付かれないように小さく舌打ちをすると。
「 そんなもん。本当の戦いではなーんも意味ねぇ。お前は女なんだぞ。男の俺らとは力の差だってありすぎる 」
そう言いながら地図を見るのを止めて机から離れたところを歩き出す。
「 やってみないとわからないじゃんか!!わっっっ!!! 」
いつの間にか自分の目の前まで着ていたジャスティにセルティアはソファの上に押し倒されるように寝転がる。
「 なら・・・やってみろよ・・・ 」
綺麗な蜂蜜色の瞳でまっすぐに見つめられたセルティアは緊張で口を噤む。
「 っつ・・・・・・・・・ 」
セルティアの返事を待たず。ジャスティは少女の首筋に唇を落とす。
そこでやっと声を出せるようになったセルティアは彼の胸に両手を当て一生懸命押して止めよとする。
「 っちょ・・・!!!ジャス・・・!やめ・・・て・・・!!! 」
だが。彼の胸はビクともしない。これが男女の力の差だ。
セルティアは知らずに涙を流していた。それに気付いたジャスティはスッと少女の上から退き机に向かって歩く。
「 これでわかっただろ。お前には無理だ。ここに居れば、何かあったら俺が守ってやれる。良いな? 」
ジャスティは少女の顔も見ず。後ろも振り返らずにそう言う。セルティアは体を起こしドレスをきちんと着なおし。力ない返事を返す。
「 う・・・うん・・・ 」
なにやら中途半端な作品が多いですが・・・。
細かい事気にしちゃ負け・3・ナノヨ。
今回の作品はもう既に大まかな内容が頭の中に入っているので早くに続きが書けると思います!!
海賊ものは生まれて初めてです!そして読んでいただく皆様に「へー!!!」と言っていただくためにも図書館にてたくさんの海賊の本を借りてきては勉強をしながら書こうと思います!
この1章もまだ少しですがお勉強して書いたんですよ?ヾ(・ω・`
これからも私の作品を宜しくお願いします(*・ω・)*_ _)ペコリ