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四ノ宮くんと大人な彼女

「四ノ宮くんには友達がいない」の4話です。

今回の四ノ宮はどうなるのでしょうか

一話から見て無い方はそちらから見るのをおすすめします。

6時限目前の休み時間も保健室から移動してくるのに使い、終わってしまった。

仮にも授業サボった俺は教室前の廊下の柱で立ち尽くしている。

「はぁ・・。」

教室に入りづらいのだ。

なんでかって? 答えは一つ。

俺に友達がいないからだ。 ガヤガヤと談笑する声が聞こえてくる。

おかしいな・・チャイムはとっくに鳴ったはずだけど。

受験を控えている3年の授業はとても静かで発表以外は誰一人として口を開くことは無い。

なのになんだかうるさかった。

まだ先生が来ていないのか・・?

俺が下を向いて腕を組んでいると誰かが左耳にフッと息をかけた。

「うわぁ!!?」

驚いてマヌケな声が出てしまった。

幸いクラスメイトには聞こえて無かったようで・・。

上から笑い声がした。

「ふふっ。」

白いスカートから見える長い脚、いたずらに成功したというような子供っぽい笑みを浮かべる女。

「か、上条先生・・?」

国語科担当の上条友紀奈かみじょうゆきな先生だ。

俺に息をかけた張本人はクスクスと笑い言った。

「なぁ~に授業サボろうとしてるんだ、思春期少年?」

「し、思春期少年って・・。先生こそ授業はもう始まってますよ?」

上条先生は茶髪のロングヘアを揺らして言う。

「私は職員室に忘れ物を取りに行っただけですー。ほらほら、教室に入った入った。」

「ちょっ・・先生・・。」

先生は俺の手を引いて教室にずんずん入っていく。

男子と女子の顔が曇る。

そりゃあそうだろうな、男子の敵であるモテ男の俺が学校で一番若くて綺麗で人気のある先生に手を引かれているんだから。

「はーい、遅れてごめんね。四ノ宮くんも早く席について~。」


さっきの出来事のせいだろうか。

なんだか授業が耳に入って来ない。

『じゃあ前から順番にこのページを読んでってねー。』

・・・。

「ゃ・・みや・・四ノ宮・・!」

隣から小声がして我に返ったように俺は立つ。

えぇっと・・なんも聞いてなかったんでわからん。

諸星は教科書の5行目を指差す。

本読みやってるのかと理解した俺は5行目を読んだ。


読み終わり、席に着くと隣からメモ用紙が渡された。

そこには諸星の字で「なんかあったの?」と書かれている。

俺は「別に」と書き、返した。

数秒後、また送られてきた。

「嘘つき、5時限目いなかったでしょ」

「まぁ色々とあったんだよ」

「ふーん、先生の話ちゃんと聞いてなよ」

俺はまた「おう」と書いた紙を隣に渡そうと手を出した。

すると・・。

『四ノ宮くん? なぁ~にやってるのかな?』

や、やべっ 見つかった・・。

諸星が「バカ」と口パクで伝えてきた。

先生の声に反応したクラスメイトの視線が俺に集まる。

「えっ・・とー・・」

『まぁいいわ。HRが終わったら指導室1に来ること。いい?』

「は、はい・・。」

キーンコーンカーンコーン。

授業終了のチャイムが鳴った。


閲覧ありがとうございました。

次話も書きますのでよろしくお願いします。

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