エイプリルフール
「エイプリルフール」
カレンダーをめくれ。今日から四月一日だ。
エイプリルフールには、私は春バカを摘みに行く。
遠足でも散歩でもない。生死を賭けたサバイバルだ。
春バカはどう猛で、鋭い爪と牙をもつ。
ふだんはそれらを体の中に隠し、罪のない顔をしてタンポポの綿毛のふりをしている。
私たちはだまされてはならない。
春バカは、いつも愛想よくニコニコ笑いながら近づいて来て、私たちを食い殺すのだ。
そういうことで、春バカグッズを用意しよう。
ポテトチップスとセロハンテープだ。
セロハンテープで雲と太陽をおびきよせ、あわてた月をポテトチップスで収賄するのだ。
春バカはのこのこと私の前に来てお辞儀をする。
ニンジャルックの春バカに慎重さはかけらもない。
だれにでも自分をアピールし、アルバイトの時間が過ぎると帰って行くだけだ。
さて、捕まえた雲と太陽と月をミキシングして、帰り支度をする春バカに飲ませたまえ。
春バカはサービス精神旺盛に牙をむき、ヒバリにつつかせてくれる。
私たちが跳び上がって喜んで見せるのも手だ。
すっかり私たちに躍らされ、だまされた春バカとマイムマイムを踊るのは下世話なことだが、悪いことではない。
こんな話を聞かされておもしろくないのは承知のうえだ。だから黙って聞け。
春バカを縄で縛るとバカ笑いするから、その口にバラを詰めろ。
決してずるをしてラバを詰めてはならない。
そこらへんに生えているラバなんてもってのほかだ。
ラバは春バカを正気に戻させる。
正気の春バカは五月病を蔓延させて、私のやる気を無くさせてしまうからだ。
あちこちで春バカの扱い方を間違えている。
もうやめろ!
なんで、ちゃんと取り扱い方法を読まないんだ!
決してラバはやめてくれ。
これでも私はグルメなのだもの。