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そして4人は玄関に貼られているクラスの割り当て表を見に行く。
「あっ。私たちみんなC組だよ」内心ほっとしていた。クラスに知り合いが一人も居なかったらと考えるだけで龍人は身震いしていた。
その後、僕たちは1−Cへ行き、黒板に貼られている席順につく。1クラス40人で1学年10クラスあるのである。
席順は龍人が2列目の透華が3列目の後ろから2番で、龍人の後ろに優子。
そして司は窓側の前から3番目であった。
クラスに全員が入るとちょうどチャイムが鳴り、担任が入ってくる。
「ほらーみんな席に着け。えーと、俺の名前は佐々木晃治だ。自己紹介等もあるがまずは入学式だ。名簿順に廊下に並べ」その担任の一言でクラスのみんなが廊下に並ぶ
面倒くさいなどの声も聞こえるがそれは誰もが思っていることだ。そして講堂へ行き、入学式が始まる。
「え〜、であるからして」校長の話が10分程度続き、それが終わると
「新入生代表挨拶。新入生代表 翠蓮寺 曜子」はい。と元気のよい声が講堂内に響く。
そして壇上に立った少女は少し緊張しながら
「本日はこの名門、来龍学園のへ入学できたことを嬉しく思います。」その言葉をきっかけに、スピーチを続ける。
「おい龍人!」
「どうした司?」
「あの子かなり可愛くない?まじ一目惚れだって」やや興奮ぎみに龍人へ話す。
「まぁ確かに可愛いな」しかし、その言葉とは裏腹に表情はあまり冴えない。
スピーチが終わり教頭らしい人が入学式の終わりを告げる。
教室へ帰る途中ふと空を見上げる。そうなるとついつい物思いに耽ってしまう。
「………る?龍人君?」突然話しかけられ顔を覗き込まれる。
「え、な、何かな?」少し動揺を隠せないまま返事をしてみる。
「だから〜、このあと暇かなって聞いてるんだけど……だめ?」目を潤ませながら消えそうな声で聞いてくるので男としては断れるものではない。
「だ、大丈夫だよ。あ、でも今日はデパート行くつもりだったんだけど…」少し透華の様子を見ながら一拍おき
「……一緒にいく?」その一言で、先程までの悲しげな顔人はうってかわり、満面の笑顔と変わった。