4-1
とにかく疲れた僕は自宅に帰り、自分の分と姉の分の夜ご飯を作ることにした。
冷蔵庫の中を見てみるが大したものは入っていない。軽くため息を吐きながらチャーハンと春雨スープだけ作っておく。つくり終わり僕は一人さみしく夜ご飯を堪能することにした。
そして食べ終わり、風呂に入ることにする。そこで僕は風呂場で着替えながらつくづく思う。
…僕って本当に親たちから捨てられてるよな。まぁお金送ってくれるだけ有難いけど。
着替え終わり風呂に入ると段々眠くなってくる。今日の疲れを風呂で癒しすぎて眠くなってきたのだろう。軽く寝るかなと思い、浴槽に手で枕を作り軽く眠る。
あれから何分経っただろうか。浴槽は明るかったはずなのになんだかここは暗い。あぁもしかして僕って天に召された?神様はどっちに審判下してくれるかな?天国だったらいいな。あ、でも、天国だと暇すぎるから地獄でもいいかな。…まぁどっちでもいいや。
そんなことを考えていると誰かの声が聞こえてきた。あぁまだ僕は三途の川あたりか…と思いながら、仕方なく現世に帰ろうとすると、川の向こう側に知り合いの顔があった。忘れたくても忘れられないあの人の顔が。
でも、その人の顔は段々と薄れていく。僕は川から遠ざかっていく。そこで僕の意識は覚醒した。
「おきた?帰ってきて誰もいなくてさ、部屋にいるかと思ったらいないし…家じゅう探しまわって、お風呂に行ったら倒れてるんだもんびっくりしちゃったよ。……それより龍ちゃん、…大きくなったね」その言葉を聞いたとたんに僕の意識は再び闇に落とされしまった。
一体姉のセクハラ発言を聞いてからどのくらいの時間が経過しただろうか。時計を確認しようと思い起きようとするがなかなか起きれない。……もしかして金縛り?
なんて考えていた僕が馬鹿でした。理由は至極簡単。あのバカブラコンが僕に抱き着きながら寝ていました。はい。どうしようかと思い、仕方なくその変な物体Aを蹴り飛ばし、ベッドから起きる。
カーテンを開けると鳥のさえずりが聞こえ、すがすがしい気持ちだった。……さっきまでは
「ん~。いたぁ~い。だぁ~れ?」寝ぼけた声で、目を擦りながら起き上ってきた姉が辺りを見回していた。最初どうするかなと思い、悩んでいたが姉の一言で僕の決意は決まった。
「あれぇ~、りゅうちゃーんおきたんだー。おねぇちゃんのむねにだかれてねていたきぶんはどうだったかな?」その満面に免じて許そうかなと思っていた時期なんかこれっぽちもありません。ここは仕方ないので姉を放置して、黙って部屋を出ていくことにした。
そして、嫌がらせのために朝食と、昼食を作らないであげました。
姉が起きてきたときに僕は涼しい顔でコーヒーを飲みながらテレビを見ていると、首をかしげてあれ?とか言ってやがります。
「龍ちゃん。私の朝食は?」その言葉を聞いたときに内心でガッツポーズをしながら冷ややかな顔で答える。
「ないよ。あんなセクハラ発言に加えて一緒に寝てやがったからね」嫌味たっぷりとそういってやると段々泣き顔になってきたのでやばいかなと思いながらも心を鬼にして姉を突っぱねる。
そして、そんな姉を放置して家を出ようとすると後を追いかけてくる。
追いついたかと思うと小声で呟く。
「いじわる」