3-10
あの馬鹿との変な会話を終えて僕は岐路へとついていた。
今日も学校だるかったなと思いながらゆっくりと歩いていると後ろから急に抱きつかれた。
「龍君~。たーすーけーてー」名前のほうは感情をこめてたくせに助けてのほうは全く感情を込めず、むしろ棒読みのような感じになっていた。
「…なんですか?用がないなら離れてください。あーいや、用がなくても離れてください」不機嫌ですよと言う感情をこめて喋っていたつもりなのだが彼女には全くの無効化であった。
「むー。なんかこの前と言い最近冷たくない?…そんなに私のこと嫌い?」若干の潤んだ瞳に上目づかいのダブルコンボで僕の良心はブレイクハート。はぁ…と軽くため息をつきながら久しぶりに頭を撫でてみる。昔ならこれで何とかなっていたりいなかったり。
すると顔を赤くしながらも嬉しそうな顔で微笑む。その表情はまさに女神と言ってもいいかもしれない。だが、こんなことを本人に言うと調子に乗るので言わないが。
「それで、こんなところで何やってんの?」僕は思い出したように問いかけると、予想外の言葉が飛び込んでくる。
「龍君。今から私についてきなさい」なぜに上から命令?と思いながら仕方なしについていくことにした。だってついていかないと確実にぐれると思うから。
それから数分歩くと、急に紗絵が止まり、振り返る。
「今から龍君には彼氏役になってもらいます。あっ!なんなら本当に彼氏になる?」わざとらしく微笑むと彼女は僕の横に立ち、腕をからめてくる。その動きはあまりに華麗で隙が全くなかった。と言うよりもここどこ?と思い看板を見てみるとカラオケボックスだった。
そんな僕の表情を見ていた紗絵がこの状況の説明を始める。
「この前の昼休みに私のところに来て彼女いるって言ってたでしょ?でもあれって嘘だよね?それをみんなに言ったらじゃあいっしょに遊びたいって言ってさ…。ね?いいでしょ?」そう言われ、時計を確認してみる。
現在の時刻は午後五時半。この分なら二時間くらいは遊んでられるな。と思いながら、仕方なくいくことに決めた。だって、ここまで来たら行くしかないじゃん。
「別にいいですけど、紗絵の彼氏役やんないからね」さらりとそれだけ言い残し、カラオケボックスに入っていく。
カラオケは一時間続くらしい。こりゃ頑張んないとなと思いながら先輩たちが待つ場所へと歩を進める。そして、カラオケボックスの中に入ると先輩たちが妙なテンションで僕に近づいてくる。
「待ってたよー。さぁさぁ一緒に歌おうー」いぇーいと僕以外がテンションマックスになる。
「じゃあ一曲目行こうか!!翔子歌います。聞いてくださいクリス○ルキングで愛を取り○せ」
ユ○ショック!愛で鼓○早くなる♪
「続けて景子行きます。ド○カムで未○予想図Ⅱ」
そんな感じで全員が一通り歌うと、ついに僕に回ってきた。
「さぁ龍君歌いなさい!!!曲はこれです」そういうとイントロが流れ出す。
こ、これは!そうこの曲は僕の十八番。行くぜ森山○太郎でさ○ら。むろん独唱だぜ!
そんなテンションで僕たちは歌い尽くした。歌い尽くして燃え尽きた。これでようやく終わった。この小説が……え?終わってない?んだよ。ん?これからが面白い?ハードルあげんなって!!
これで第三章は終わりになります。
まだまだ至らぬ点も多々あると思いますが、ご愛顧のほどどうかお願い申し上げます。
つきましては、誤字脱字等がありましたらご報告してくださるようお願い申し上げます。
次章はアホなことを書いていきたいと思います。