3-7
現在地は沖縄。
少し奥へ立ち入ればそこは食料の宝庫である。
しかしそれはきちんと道がわかっている者のみに限定されるが……。
時は数10分前にさかのぼる。食料を探しに来た龍人の班は、事前に渡されていた食べれるかどうかを判断する本をもとにゆっくりと歩いていた。
そして、本に書いてある食材があると鞄に入れるということを何回か繰り返していた。
しかし、あまりにも夢中になっていたみんなはここがどこだか理解していなかった。そう……迷子である。
「ね、ねぇ…龍人君…ここ、どこ?」自分を軸として周囲を一回りしてみる。そこは見渡す限りの木々たちで覆い尽くされていた。
熱帯雨林…とまでは言わないが、陽が良すぎるために暑さでダウンしそうにもなるが一番堪えるのが、なんと言ってもこの湿気である。服が体に纏わりつき、体がだるい。
「みんな大丈夫?今から携帯で先生たち呼んでみる」ポケットへと手を入れ、携帯を開き、電波確認してみる。
「やばいな…。圏外だ…」その一言が彼女たちをどれ程苦しめたであろうか。僕は最大限に頭をフル回転させる。そして第三回脳内サミットの開催を宣言した。
天使「こ、これは大変ですね…。しばらくこの辺で待機してみてはいかがですか?」
悪魔「待ってるだけじゃなにも始まらん。だから来たと思われる道を引き返すのが上策だと思うがな」
僕「やはりここは一旦引き返した方がいいと思う。だけど、さらに迷ったら大変だな…」
天使「なら、ここでしばらく休憩した後に道を引き返すと言うのはいかがでしょう?」
悪魔「時間がもったいない。ここは構わず先に進むべきだ。さぁどうする我らが宿主よ」
1人で試行錯誤した後、1つの結論にたどり着く。
そして第三回脳内サミットは終了した。
「みんな聞いてくれる?少し休憩してから、来た道を引き返そう。でもそれだとまた迷ってしまうと思う。だから印をつけながら進もう。ここでじっとしてても事態は変わらない。だからみんなで協力して頑張ろう」