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「おーい龍人!昼、食堂行かね?」今はつかの間の休息が許される昼休み。
「いや、弁当あるから教室で食べるよ」今日の朝渡された手作り弁当が…
ふいに教室の扉が開かれ開いた一人の女が龍人に近づき抱擁する。
「龍君久しぶり〜。元気にしてた?」突然の来訪にクラス中のみんなが声を失いただただその中心を見つめる。
「紗絵さん、いきなり抱きつくのまだ直らないんですか?」抱きつかれた本人はあきれた顔で冷静な対処をする。
山本紗絵。来龍学園の生徒会会長にして学年首席。容姿端麗、といった完璧超人である。
「龍君〜。何で私に会いに来てくれないの?あれは遊びだったの?」いきなり泣き出したが我関せずといった感じで無視を決め込んでいると、少し赤い顔で叩いてきた。
「なんか反応してよ。は、恥ずかしいじゃない」だったらしないでくださいよと苦笑ぎみに注意をするが紗絵の暴走は止まることを知らなかった。
「お、おい龍人。何で生徒会長と抱き合ってんだよ」口をわなわなと震わせている司がみんなの疑問を代表して龍人に問いかける。
「紗絵さんとは幼馴染みみたいなものだから気にするな」至って普通に話しているが透華は何やら先程からぶつぶつと呟いている。
「何で龍人君の周りには美人ばかり集まるのかな…私だって負けてられないし頑張らないと…」透華の意気込みを知るよしもない龍人は紗絵と楽しそうに話をしている。
「龍人君!放課後のことは決めたの?」
「あつ、喋るの忘れてた。僕、放課後行くことにしたから」また龍人との溝が開いた気がした透華だった。