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すぅちゃんの1日 そのななじゅうご
あなたの手はとても暖かい。
ふと触れたときに感じる体温が心を癒してくれる。
それがどれだけ私を救ってくれているのかあなたは知らない。
利用している事を理解していたのに、利用しようとしていた事をわかっていたのに。
その手を差し伸べてくれたことを私は忘れない。
ふと思う事がある。
彼は他の人でも同じようなことをしたのだろうかと。
ライラなら、アルフなら、リリスなら、家族なら、同じようなことをしたのだろうか。
きっとしたのかもしれない、しなかったのかもしれない。
けれど私はしなかったのだろうと思いたい。
自分が嫌な女だと、そう思った。