74/90
すぅちゃんの1日 そのななじゅうよん
「ん」
ごろり、と寝返りを打ちながら不満げな顔でこちらを見てくる少女が一人。
いや、もう少女という年齢でもないのだが……。
「なんだ……?」
「スオウ、枕が無いのですが」
「床で寝てたからな、元から無かったと思うぞ」
「……」
寝ぼけた目でかけられた毛布を一瞥し、そしてまたこちらを見てくる。
「ん」
「本を読んでいるのだが……」
「枕がないのです」
「……そうか」
「そうです」
ずるずると毛布を引きずりながら傍に寄り腰に腕を回し、人の胡座の上に頭を置いてまた寝だした。
「なぁスゥイ、端から見たらこの格好ってかなりまずく無いか?」
「……大丈夫です」
「いや、何を持って大丈夫なんだ」
「私的には大丈夫です」
あぁ、そうですか……。