パロディー オブ あんたがたどこさ
あんたがたどこさ 肥後さ
肥後どこさ 熊本さ
熊本どこさ 船場さ
船場山には狸がおってさ それを猟師が鉄砲で撃ってさ
煮てさ 焼いてさ 食ってさ
それを木の葉でちょいとかぶせ
ケース1
「あんたがたどこさ?」 「肥後さ」
「肥後どこさ?」 「熊本さ」
「熊本どこさ?」 「船場さ。船場山に――」
「――は狸がおってさ」「それを――」
「猟師が鉄砲で撃ってさ」 「煮て――」
「――さ。焼いてさ。食ってさ」 「」
「それを木の葉でちょいとかーぶーせ☆」 「うわあぁぁぁん!!! 俺の故郷は俺に語らせろよーーー!!!」
ケース2
「あんたがた肥後さ?」 「肥後さ」
「熊本さ?」 「熊本さ」
「船場さ?」 「……船場さ」
「船場山には狸が」 「なんで俺の出身地そんな正確に言い当てられるんだよー!!!」
ケース3
「あんたがたどこさ?」 「肥後さ」
「肥後どこさ?」 「熊本さ」
「熊本どこさ?」 「船場さ」
「船場どこさ?」 「え? ……○丁目だよ」
「○丁目どこさ?」 「……×番地」
「×番地どこさ?」 「……そこの△△って表札の家……ようは俺ん家だけど」
「………………」 「……えっ、なにっ? ここから話広げていくの? 『俺ん家』ってテーマで?」
「………………」
「ええーっと…………ああ、俺フィギュア集めるの趣味で、専用の棚に飾ってんのね」
(俺の棚にはフィギュアがあってさ)
「ほほう、それで?」
「…………こないだ帰ってきたら、無くなってたんだよ」
「…………それで」
「親父とお袋に聞いたら、ヤフオクで売っちまったって……」
(それを両親がネットで売ってさ)
「……すまん。もうやめよか、このはな――」
「いろいろあったんだよ……いろいろよぅ……」
(イクサー パイルダー モッコス)
「それでプチ切れて詰め寄ったら、『わかったわよ、返すわよ』って、チャリン、チャリンって
………………」
(それをその場でちょいと30円)
「うあおぉぉぉぉ……モッコス……モッコスーッッッ!!!」
「もういいっ! もう終わったんだ! お前はよくやった! よくやったんだ……!」
ケース4
「あんたがたどこさ?」 「ニャンニャン、ニャニャーン!」
「お名前何さ?」 「ニャンニャン、ニャニャーン!」
「うーん、泣いてばかりで困ったなあ……ワンワン、ワワーン! ワンワン、ワワン!」
ケース5
「あんたがた肥後さ?」 「肥後さ」
「熊本さ?」 「熊本さ」
「船場さ?」 「……船場さ」
「船場山には狸が――」「なんで俺の出身地そんな正確に言い当てられるんだ! その頭巾を取って顔を見せろ!」
――バサッ……ハラリ……
「ッ!!」
「――狸がいてね、それを猟師だった角蔵おじさんが鉄砲で撃って……焼いたお肉とか、いっしょに山菜を入れたお汁とか……美味しかったよね……」
「み……美代ちゃん…………」
「うん……久しぶりだね、歳くん……」
(あんたがたどこさ オルゴールバージョン)
「もう歳くんが出て行ったあの日から、四年も経ったんだね……」
「美代ちゃん……」
「あの日のこと…………まだ御両親のこと、怒ってるの……?」
「ッ! 当たり前だよ。あんなこと……ぜったいに許せるもんか……!」
「……そう……だよね。ごめんなさい」
「あ、いや……それより美代ちゃん、どうしてこんなところに……?」
「ん……わたしもね、家をでてきたんだ……」
(あんたがたどこさ ロマンスアレンジ with スウィーツハミング)
「ど、どうして!?」
「結婚しろって。『お前もいい年になったんだから……』とか言われて、それで大喧嘩して」
「…………」
「わたし、ほんとうは……」
「美代ちゃん! 俺、美代ちゃんのこと!」
「歳くん……歳くん……!」
「美代ちゃん! 俺と、けっこ――」
(交響曲『あんたがたどこさ』 in グランドオーケストラ)
「うるせええ! いまいいとこなんだよ! 邪魔すんじゃねーよ!!!」
ケース6
「わたしゃ おんがーくか 山のタヌ」
――ッパァーーーン!!! パァーン…………ァーン…………
………………ドサッ………………
ケース ファイナル
「あんたが田所さ!」
「違げーよ。誰だよ田所」
――おわり――