えだまめさん、おかえり。
これは私が以前、農業のお仕事をしていた時のお話です。
おこめさん「ねえ、ぼく、すっごく悩んでるんだ。聞いてくれる?」
ともだち「いいよ~、どうしたの?」
おこめさん「小さかったり、傷んでたりする枝豆をさ、廃棄するのが辛いんだ。この枝豆は何のために生まれてきたんだろうって。また、泣きそうになっちゃったんだ。」
ともだち「うんうん、それはね、何にも心配しなくていいんだよ。し~んぱ~いないさ~、だよ。おこめさんはさ、”廃棄”ってなんて読むか知ってる?」
おこめさん「それは・・・。うっ。うっ。しくしく、しくしく。」
ともだち「また泣く~。おこめさんは本当に泣き虫さんだな~。顔を上げて。”廃棄”はね、”おかえり”って読むんだよ。」
泣き虫さん「おかえり?」
ともだち「そう。それにね、おかえりには三つの意味があってね。昨日さ、廃棄になったえだまめさんをさ、畑の横にかえしてあげたじゃん?それが一つ目の”お返り」
ともだち「そしてね、そこには虫さんがたくさんいたでしょ?その虫さんがね、お返りしたえだまめさんを食べて、すくすく育って、土にかえって栄養になって、その栄養を、今度はえだまめさんが食べて、今度こそ大きくて立派なぴかぴかのえだまめさんになって、ぼくたちのところに帰ってくるの。これが二つ目の”お帰り”。」
ともだち「そしてね、そのえだまめさんをぼくたちがもりもり食べて、それで元気いっぱいになったぼくたちが、えだまめさんをいっぱいお世話してあげるの。あるときは ”お返り”してあげたりしながら。あるときは ”お帰り”って言ってあげたりしながら。それを繰り返してえだまめさんは、”えいえん”になるの。これが、三つ目の”お還り”。だからさ、元気出して一緒にえだまめさん食べよ。」
ともだち「もぐもぐ、もぐもぐ。すごっく、おいしいね。」
おこめさん「もぐもぐ、もぐもぐ。うん。すっごく、美味しいね。」




