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第5頁 散策開始……!

 次に目を覚ますと、そこには見知らぬ赤い天井が見えた。いや、厳密に言うと赤い天井じゃなくて、天蓋だ。ということは、今自分は寝ているということ。


 周囲の状況を確認するために辺りを見回そうとするが、どうにも首の可動範囲が狭い。取り敢えず、今動かせる範囲で見えたものは、やけに洒落た窓枠と天蓋ベッドのカーテンと木造のベッドサイドテーブル。


 んー、なんかどこかで見たような状況ね。けど、これだけで判断するには情報が足りない。それにしても何だか、布団がいつもより重い。いや、結構いい素材を使っているから重いのも当然か。


 一旦、身体を起こしてみるだけ起こしてみよう。そう起き上がろうと身を起こす。だが、コテンッとベッドに逆戻りしてしまった。寝転んだ衝撃が来るものかと思っていたけど、やけにマットの材質が良いのか痛いとは思わなかった。


 てか、なんか今、人いなかった? いや、私の見間違いじゃなきゃ、確かにいた。本当にどういう状況だろう? え、私、誘拐でもされてるの? そうかこの家? に住んでる感じなのかしら。

 前世でも前々世でもこんな良いところに住んでなかったから分からないのだけど。……本当にどういう状況?

 

 内心混乱状態に陥っていると、銀髪紫眼の美形男子がこちらを覗いてきた。間違いなく、さっき見た人だ。私は恐る恐る身構える。

 

「おや、ご起床なされましたか。おはようございます、初音様」

 

 彼は微笑みながら優しい口調でそう言ってくる。

 ……ちょっと待って。イケボでイケメンでそんなこと言われたら脳がバグる……! え、何? ここは乙女ゲームの世界か何か? え、もしかして私の将来、悪役令嬢だったりする? いやまぁ、仮に私の容姿が前世と同じで目つきが悪かったらなれなくもないけど……って、そうじゃない! 初音様とか言われたんだけど。どういうこと? 様付けってことは私の今世の身分は王族か貴族の令嬢!? そうなの!?

 

 脳内で更に混乱していると、彼が私の頭を撫でてきた。わぁ~気持ちいい~。さてはこの人手慣れてるわね? ってそうじゃない!


 と、ここで自分の腕が視界に入った。私の予想通り、そこには幼子特有の太くて短い腕があった。手もめちゃくちゃ小さくなっている。なるほど、つまりこれはまた一からやり直しというわけか。

 己、あの駄目神め……。こっちの意見も少しは聞きなさいよ。おかげで何も分からず転生させられてるんだから。

 

 内心、毒づいていると、イケメンの手が私の頭から離れた。離れた手をよく見てみると、黒手袋を嵌めている。


 んー、なるほど。取り敢えず自分が赤ちゃんで、あのイケメンが誘拐犯とかじゃなければ、この家の令嬢という説が濃厚になってきたわね。けど、まだ安心はできない。


 と、ここで部屋の扉の閉まる音がした。私の気配感知が正しければ、あのイケメンが部屋から出ていったということ。つまり、この部屋を自由に散策できるということでもある。そうと決まれば話は早い。まずは起き上がるところからよね。


 私は一度横向けになってからうつ伏せの状態を作る。そして、マットに手をついて、上体を起こした。これで第一段階は突破。次にベッドから降りなければならない。腕力的にはいはいはできそうね。となると、年齢的には1歳前後と見るべきか。


 取り敢えず、ベッドから降りないことには始まらないので、ふかふかすぎるマットに手をつきながらベッドの縁まで移動する。さて、ここからが問題ね。どう降りるか。飛び降りたら音で気づかれかねない。なら、ゆっくり降りるべき。となると、シーツと布団を犠牲にするしかないわね。


 私はシーツに全体重を預けて慎重に絨毯の床へ降りる。よし、これで後はさっきのイケメンが戻ってくるまで散策すればいい。さて、まず見ておきたいのは――っとあったあった。私はある一点を目指してはいはいで部屋の中を進んでいく。近くにある椅子へ頑張ってよじ登ると、狙い通り鏡が見えた。そうドレッサーである。


 ここで自分の容姿を確認するのとしないのとじゃ、今後生きていくうえでの振舞いとかそういうのが変わってくる。さて、今世の自分の容姿はどんな感じかしらね……。肌は色白で、まだ生えきっていない少し明るめの茶髪に深海のように蒼い瞳。うん。前々世と前世と変わってないわね。そして、目つきの方も悪いと。こりゃ今世も苦労しそうだわ……。もう死にたくなってきた。


 でも、逆に言えば自分の容姿と弱点をよく理解しているのだから、やりようによっては上手くいきそうね。取り敢えず、あの神は八つ裂きにして処刑してやる。


 さて、お次はここが現実世界なのか異世界なのかね。えっとまずはこの椅子から降りないと……。椅子から降りた瞬間、キーッと音が鳴った。あ、やばい。見つかった怒られる……! 


 身体ごと扉の方に向けると、そこにはイケメンの他に2人の男女がいた。どちらも良い素材の服を身に纏ってることから、どうやらあの二人が今世の私の父と母で間違いないようね。


 父の方は濃い目の茶髪に蒼眼、ちょび髭を生やしている。一言で言えばダンディね。けど、なんか頼りなさそうな気配がするのは気のせいかしら。


 で、母親の方は明るめの茶髪をお団子で一纏めにしており、瞳は若干ツリ目のエメラルド。美人で優しそうな母さんって感じね。そう今世の両親を見つめていると、母さんがしゃがんで私を抱きあげて、よしよししてくれている。


 この二人は両親だけど、それじゃあ、このイケメンは一体……?


 転生早々、私の頭には謎いっぱいだった。

 

第1章転生編がスタート! 振り出しに戻った初音がどうなっていくのか楽しみにしていてください! それでは転生編完結となる15時10分にお会いしましょう!

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