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第32頁 緊急事態発生!

「と、図書が無くなったってどういうことですか?」

「とにかく、一旦控室の方へ来てほしい」


 私と陸玖は凪さんにそう言われ、何かあったときのために紫苑をオープンスペースに残して。控室へ急ぐ。着いたころには雲雀と結月さん、輝さんがいた。セキュリティルームにいる蓮見さんや(かけす)さん、紫苑も一応通信で繋がっているようだ。

 

「図書が無くなったからと言っても、ケースや図書本体に仕込まれている発信機はきちんと起動しているんでしょう?」

「それはそうなんだけど、監視カメラで図書の位置を確認したらバーコードの欠片と紙の破片がついた発信機だけが床に落ちていてね。図書自体がどこかに消えたんだ。ほら」

 

 凪さんがそう言うと、雲雀によってスクリーンに監視カメラ映像が映し出される。最大値までクローズアップされると、確かに凪さんの言う通り、2つの発信機が床に落ちていた。


 でも少なくとも、当館の図書には透明ケースの裏面についているバーコード部分と図書本体にミクロ単位の発信機が仕込まれている。まず、自然に外れるような構造はしていないし、破片ごと落ちていたのだとしたら、それは誰かが意図的に取り外したとしか考えられない。


「図書が紛失してからどのぐらい経ってるんですか?」

「ざっと3分程度かな。館内図書の監視をしてた機械人形から連絡を貰ってすぐ、セキュリティ顧問の(かけす)さんに伝えて、図書館の入口はロックを掛けてもらってるから大丈夫。窓からも出られないように透明のシャッターを下ろしてあるから外に出るなんてことはできないようになってるしね」

「後は図書を奪取した瞬間が映っていたら……」


 雲雀に監視カメラ映像を念の為、5分ほど前に巻き戻してもらって再生する。が、そのような様子は見受けられない。次に別角度の監視カメラの映像で、本棚から本が引き抜かれた瞬間を確認してみる。


 すると、さっきまで本棚にあった図書が一瞬のうちに消えている。勿論、その場に人影は見当たらない。これは一体どういうことかしら……。

 

「そう、誰が盗ったのか分からないんだ」

 

 凪さんは困ったように眉を下げた。誰が盗ったか分からないなんてそんなこと有り得るのかしら。セキュリティシステムはきちんと作動しているようだし、凪さんが先ほど報告のあった、熱探知の結果を教えてくれたが空振り。これではどうしようもない。どうすれば強奪犯を捕まえられるのだろう……。


「あ、あの。入退場に必要なパスから洗い出せばいいんじゃないですか? あれなら館内を利用している人は全員持ってますし」

「それだわ。やってみましょう」

 

 私がそう言うと、蓮見さん、雲雀、(かけす)さんの3人で入退場のパスが何処にあるのか、その所有者が何処に居るのか洗い出す。私たちはその間、虱潰しに図書館内を探すことになった。私は陸玖と共に本館7階へ到着。


 もし、強奪犯と遭遇したときは、すぐに連絡を入れることを条件にして、二手に分かれようと提案する。と、陸玖は不安そうながらも頷く。


 そうして、陸玖とは反対方向に歩くこと3分。幸い、今はこの階には私と陸玖以外はいないようで、陸玖の姿が完全に見えなくなったことを確認する。


 と、私は四方八方に設置してある監視カメラ10台を祓力で同時破壊。半径10メートル以内に認知阻害と防音、内側から脱出不可能な結界を貼った。


「これでもう逃げられないわよ。さっさと出てきなさい」

 

 一見、誰もいない空間に向かってそう叫ぶ。けど、一般人には見えないが、私には森羅万象を見通せる霊眼があるので、強奪犯が何処に居るのか視えているのだ。今は本棚の裏に隠れている。と、ここで強奪犯がこっちへ駆け出してきた。私に掴みかかろうとした瞬間、自らの周囲に祓力を発動させる。


「うぉ!?」

 

 一気に結界の最端へ強奪犯を吹き飛ばすと同時に防音を解除。おかげでパァァンッ! という破裂音が響き渡った。吹き飛んだ衝撃でアビルが解除され、強奪犯の姿が露になり、霊眼無しでも目視が可能に。


 私はすぐさま動けなくなった強奪犯の元へ駆け寄り、気絶していることを確認後、強奪犯から目を離さずに結界を解く。強奪された図書を懐から奪い返すと、音に気付いた陸玖がこっちに走ってきた。

 

「は、初音さん! 凄い音がしましたけど、大丈夫ですか!?」

「え、えぇ。何とかね。それよりも強奪犯を捕らえたから報告お願い」

「わ、分かりました!」


 陸玖の慌てぶりに少し驚いたが、これでもう大丈夫だろう。陸玖が報告をし終えてから5分もしないうちに、皆7階へと集まった。と、ここで時間を見てみたらゲーム終了まで後5分もないことに気づく。後のことは雲雀たちに任せ、私と陸玖はすぐにオープンスペースへと向かった。

 

 無事開始時刻に間に合った私と陸玖は、何事もなかったかのようにゲーム企画の結果発表を執り行った。結果はなんとあの後巻き返した柳月図書館側の勝利になり、合計冊数は27冊。お1人様3000ゼニスを獲得した。


 一方の桜波図書館側は、僅差で25冊。合計で2000ゼニスを獲得する結果に終わった。最後に参加賞である栞を1人1枚配って午前の部は閉幕。その後、柳月図書館と連絡を取って、先ほどのことを伝えた結果、警備体制を強化することとなった。


 ちなみに私が壊した監視カメラは強奪犯が壊したということになっている。そして、強奪犯が目を覚ましたが、吹き飛んだ衝撃で頭を強く打ったのか、私と戦闘したときの記憶が曖昧になっており、監視カメラの件はやはり知らず知らずのうちに強奪犯が壊したのだろうということになったのだった。

 


 

これにて第2章再会編完結!共同企画初日を終えた初音たち。第3章助援部編では学園内の話が中心になります。それではまた22時40分にお会いしましょう!

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