表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
-コレクターズ-愛知狂騒曲  作者: かしお
7/16

始まりのブローチ

「雛ちゃんには頭があがらないよ。いつもありがとう。」


「いいのよ、昔からの付き合いだし。私がやらないとゴミ屋敷になるでしょ。それにしても今日は遅かったね守さん。何かあったの?」


守は何もないよと伝えたが、雛に一蹴された。


「守さん。嘘は良くないわ。私に隠し事しないでっていつも言ってるでしょう」


守は頭をひとかきして、昨日のことを伝えた。

いつ頃か分からないが、守に何かがあると決まって雛が家に現れる。


雛は年下だが、年齢を感じさせない母性を時折見せてくる。母親のような姉のような、そんな不思議な感覚だ。雛は優しく微笑み話をするよう促してきた。


守は「かなわいなぁ」と呟き、一呼吸をおいてからゆっくりと昨日の出来事を話し始めた。


雛は守を優しく見つめ、相槌を打って守の話を静かに聞いていた。


「、、、ということがあって、散々な目にあったけどなんだか不思議な一日だったよ」


雛は姉弟の話を聞いてから、時折、何かを話したそうな素振りを見せていたた。守が話を終えてから数分後に、閉じていた口を開いた。


「驚かないで聞いて、私もしかするとその二人の子供に出会ったかもしれないの。ほら、名古屋駅に銀時計ってあるでしょ」


「あぁ、よく待ち合わせに使うよね」


「今日のアルバイト帰りなんだけどね、私が鶴舞線の改札口に向かう途中に、大の大人が二人、子供二人を追いかけ回していたの。」


「騒がしいとは思うけど、親子じゃないか。それぐらい、よくある話じゃないか」


守が途中で口を挟んだが、雛は続けた。


「守さん、話の腰をおらないで」


雛は守の鼻に人差し指の腹を当てて、守が話するのを遮った。


そこから雛は話を続けたが、あまりにも奇想天外な話であった為に、守は口が少し空いたままになってしまっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ