転移完了
まだ、慣れてなくて自分でも微妙ですけど、そのうち面白くなりたいですね。
気が付くとそこは、新緑にあふれた森のなかだった。
ここが異世界なのか?僕は(私は)周囲を見回した。
近くで川のせせらぎが聞こえてくる。
「神様って結構説明不足じゃない」
頭の中から久美の声がする。
「なんか、変な気分だな、君の存在を感じるよ・・・それも今まで以上に身近に感じてる・・・っていうか、君とほんとに一つになれたんだね」
「解るわ!なにこの一体感!すごく幸せなんだけど・・・」
彼らの心に直接神の声が響いた。
「融合はうまくいったみたいだね」
「はい、ありがとうございます・・・見捨てられたかと一瞬思ってすいません」
ふたりは、同じ思いを伝えた。
「悠久の過去から幾世代に渡って共に過ごしたソウルメイトだ!君たち一度も喧嘩したことないだろう」
「そういえば一度も喧嘩しなかったね・・・あなたが他の女(男)の人と話してるとチョット嫉妬したけど・・・なぜか信じられたんだ(のよね)」
「すごく幸せなんだけど、心は中は二人いるってことですか?」
「今までにないことなんだけど、並列思考が出来るようだね。ただ、人格的には一人にという事かな・・・まっ、そのうち慣れるでしょう」
「以外とおおざっぱなんですね」
「こほん!・・・(威厳に満ちたイメージが彼らを包んだ)君らがラノベで知ってるシステムで結構チーチな力を与えておいたから、後はよろしくやってくれたまえ」
「もう、行っちゃうんですか?」
「次元の穴の修復が終わりそうだ。じゃぁ、達者でな~」
「行っちゃいましたね・・・」
「行っちゃったね・・・とにかくどんな能力をくれたのか先ず確認だね」
「ステータスオープンとか言ってみますか」
目前というか、意識のなかというかステータス画面が現れた。
「ホントに出ちゃったね・・・何々・・・
職業:神の使徒
名前:・・・・・・
レベル 1
体力 1000(1000)
防御力 1000(1000)
攻撃力 1000(1000)
速度 1000(1000)
魔力 1000(1000)
能力:iori 一刀流免許皆伝 (飛刀MAX・絶対両断MAX・千人切りMAXetc)
kumi 神聖魔法MAX (安全圏MAX・絶対回復MAX・自在魔法MAXetc)
能力補正:経験値獲得×1000・レベル補正値一捨二入
装備: 自在変形服・神刀クサナギ・神聖首飾りマガタマ
「自在変形服って?」
自分体を確認すると、光沢のある継ぎ目のない白のジャージーのを身に着けていた。背に刀を背負い、胸には薄い緑の光を放つ、オタマジャクシを大きくしたような勾玉の首飾りをしていた。
自在変形服を注視すると説明画面が現れた。
自在変形服=自分がイメージした形状に変形する。能力値と同等の補正値がかかる。
「なんか、凄くチートなんだけど・・・この世界の平均値みたいなのがわからないから、まだ何とも言えないところだけど・・・」
「性別はどうなってるのかな?」
下半身を確認した。男性の機能を持っているようだ。
「なんだか私は不思議な感じだわ・・・よくは知ってるけど自分のモノというのが不思議だわ・・・」
「体はわかったけど、顔はどんなかな?」
「ちょっと待って、この自在魔法ってなんでも出来そうよ・・・鏡よ我が前に」すると大きな姿見が目の前に現れた。
そこには、ひきしまった体をした男が立っていた。
その顔は、輝くばかりの金髪の美女にしか見えないものだった。
「これって、出会ったころの君の顔じゃないか!」
「ホント、高校卒業するくらいかなショートボブ、でも金髪なんてしたことなかったわ・・・」
「いや、これはこれでなかなかそそりますなぁって・・・僕だよね」
「あなたの顔、私好きだったのに・・・不思議ね・・・だんだん違和感なくなってきたわ」
「君は順応性がすごいね!・・・この能力って何となく自分でわかるようになってるんだ・・・僕が物理攻撃担当で君が魔法担当っていうところかな」
二人で一人の彼は、自身の能力やそのスキルや魔法を検証してみた。
「凄すぎない!」
「ああ、これはぶっ壊れてますね!」
周囲100メートル四方の木々が軒並みたおれたり、消失したりしている。
「力加減を間違えないようにしないと大変なことになりそうだね・・・」
それからしばらくの間、攻撃スキルや魔法を検証して時間が過ぎていく。