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9/30 一人旅

8話

正直、なにもする事がない。

寝る気にもなれないし、このまま

椅子に座って時間を潰すのもあまり好ましくない。

俺は考えた。でも、何も浮かばない。

なので、ソファーに座っている愛沙にも

一応相談した。

「愛沙さん〜?」

「なんだい?」

「時間を潰す方法って何がある?」

すると、彼女は悩み始めた。

「う〜ん。寝たら?」

「いや、眠くないんだ。」

「そうか〜、じゃあこれしか無いね。

外行きな!」

「え??でも俺って、つい30分前に

"行かない"宣言したような気がするけど・・・」

「え?そうだっけ。覚えて無いや。

別にそんな事誰も気にしないよ。

のっき君が居なくて困るのは

カトレアだけだよ」

「ん?なんでカトレアが?」

「だって、2人雰囲気いいじゃん。

もう付き合ってんの?」

それを、、、それをまた思い出させるか...

「実は、、、」

俺はカトレアに言われた言葉を

一語一句間違わずに全て言う。

「・・・という事。俺さ、何も言ってないんだよ...」

「あらら〜まぁ、どんまい。

でも!きっと、いい人が現れるよ」

彼女がそう言った時、急に彩芽が言ったことを思い出す。

「いい人ね・・・

そんな人と出会いたいよ。」

そして俺は立ち上がり、棚から自分の

財布を取る。

「じゃあ気分転換しに行ってきます。」

「行ってらっしゃい!」

扉を開け、外に出る。


しかし、何処(どこ)に行こうか。

集合場所の5時まで軽く2時間半あるぞ...

まぁ、適当に左を真っ直ぐ進もう。

しかし、建物もそうだか、人も

現代とは違う。

なにが違うかと言われれば、

そりゃ身長だ。

俺らと同じ高さのやつはいる。

だが、高いので2メートル以上くらい、

低いので1メートル以下の人が

たくさんいる。

これを見て本当に異世界に飛ばされたと、自覚する。

「今頃、現代はどうなってるんだろう?俺たちが居なくてパニクってるんだろうな〜」

俺は現代にいた時の事を思い出そうとする。

しかし、、、あいつらの事が思い出せない。

あの5人は一体どこで知り合ったんだ?

それに『人物A』とは一体何者なんだ?

・・・・やめだ。やめ!!

気分転換しに来たんだ俺は。

これじゃ、さらに不安が募るだけだ!


俺はずっと真っ直ぐ進んだ。

すると、だんだんと人気が無くなり始めた。

そして、ロープが引かれている場所が

見えた時、頭の中にあの声が響いた。

「おっと、そこからは進入禁止です。

死にたくなければすぐに帰る事を

オススメします。」

『死ぬ』その単語が聞こえた時、自然と

後ろに下がった。

「なぁ『A』?ここに何があるんだ?」

「ここは、武装集団の住処(すみか)ですよ」

「はぁ?!おい待て!あんなロープだけで大丈夫なのか?」

「はい。一応、あそこには奴らが入らないよう結界を張ってあります。

なので、この町は平穏です。

ですが、ここからあっちに入る事はできます。

なので、入った瞬間

命は無いと思ってください。」

「いつからこの場所が?」

「さぁ?それは私にも分かりません。」

「そうなんだ。じゃあおとなしく帰るよ」

俺は通った道を帰る。

そして、再び人が溢れるところまで帰ってくる

それで、せっかく外に出たので、

どこかに寄ろうと思った。

すると、喫茶店のような店があったので入ってみた。

適当な席に座りメニュー表を見る。

「あ、ストレートティーがある。

えっと、値段は2000。

はぁ?!高!!!!

・・・出ようかな…」

しかし、店員は既に俺の前にいた。

「ご注文は、どういたしますか?」

さて、どうする。断って出るか。

でも、この店員さん可愛いな〜

・・・・よし!決めた。

飲もう!!

この店員さんに迷惑はかけたくない。

「じゃあ、ストレートティーを。

それで、聞いて欲しい事があるんですけど。」

「何でしょうか?」

「『ご注文。ありがとうございます』って全力の笑顔で言ってくれませんか?」

「え???」

完全に困ってる。

だが案外簡単にやってくれた。

「ご注文。ありがとうございます♪」

可愛い。もう満足です。

数分後、同じ店員さんが

紅茶を持ってきた。

「お待たせしました!

ストレートティーです♪」

全力の笑顔で言ってくれた。

この人、分かってるな。

そして、持って来てくれた紅茶を飲む。

「おっ!美味しい。さすが2000円!」

しっかり味と香りを堪能し、会計をする。

すると、「4000です。」

え??増えてね?

「あの〜何で、ですか?」

「あの訳の分からないものが

とても不気味だったので、

これぐらいは取っても良いかと」

「いやいや!それにしても取りすぎでしょ!」

「え?払わないのですか?」

「いえ、払います...」

そして、俺の手元から4000円が消えた。

「ありがとうございました。

またのご利用を!!」

「(絶対行くもんか!!女って怖・・・)」

俺はモヤモヤした気持ちのまま、店を出た。



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ほぼ毎日出しますが、不定期で出さない時があります。理由は、ゲームです!! その時は申し訳ないですがお許しをm(_ _)m
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