9/30 さらけ出しすぎ・・・
7話
食事の後片付けをしている時に
俺は彩芽に話しかけた。
「それにしても、彩芽さんに手伝わせて悪いね
買い物に付き合わされて大変だっていうのに
本来は、あの子が手伝うべきなんだけど・・・
すると、彼女は微笑んだ。
「いやいや、こちらこそ
わざわざふたり分も追加していもらって、
ごめんね。
だから夜は私と愛沙ちゃんが作るね」
「愛沙って、、、料理できるの?」
「・・・・・・・」
まずい!何も言わないぞ…
「大丈夫。きっと、、、」
夕食が不安になってきた・・・
そして、後片付けを終え、俺たちは
リビングにもどった。
すると、みんなは疲れたのか椅子や
ソファーで寝ていた。
「みなさん寝てるみたいですね。」
「そうだな。まぁ、疲れると思うわ。
何が起こるか分からない怖さもあるし・・・
みんなも寝ていいよ!
俺が見守ってるから」
「早槻くんは寝ないの?」
「うん。まだこれが気になるし」
2人に向けてバングルを見せた。
「じゃあ、私は寝させていただきます。紅茶を見てたら疲れちゃって」
「私は、あまり疲れてないから寝なくていいかも」
「ほんと?愛沙さんに振り回されたでしょ?」
彼女はゆっくり頷く。
「やっぱり・・・まぁ、無理しないでね」
「うん。分かった」
みんなそれぞれの椅子に座った。
しかし彩芽だけはソファーの横の床に座る。
何故かと言うと、愛沙が1人でソファーを占領しているので座る場所が無いからだ。
俺はバングルのボタンを押す。
中央に『ヒト』と『ヘヤ』出るが
俺は迷わず『ヒト』を押す。
そして、6人の顔が出る。
「今回は誰から見よう」と悩んでいると、
前から「早槻くん。」と聞こえてきた。
「彩芽さんですか?」
「うん」
「どうしました?」
「暇〜」
「なら、、、一緒に見ます?」
すると彼女は立ち上がり俺のそばに来た。
「あ〜。人の方ね〜」
「見ました?」
「いや、まだ見てないよ。
隣で愛沙ちゃんが構っているのを少し見ただけ。その時にちょうど、人と部屋って文字が見えたの」
俺はさっきから気になっていた事があるので質問する。
「ねぇ、彩芽さん?しゃべり方変わった?」
すると彼女は頷いた。
「理由知りたい?」
「うん!」
「愛沙ちゃんと出かけた時に、言われたんだ。
『まだみんなに遠慮してるでしょ?
本当の自分をさらけ出した方が楽しいよ!』ってね。
その言葉が私の心にグッときちゃって!!
だから、帰ってきた時から優等生は
止めて、普段の私に戻したの?」
「へ〜そんな事が。」
「あ、それでさ、もう敬語で喋らなくていいよ
あと"さん"で呼ぶのも止めてくれない。」
「じゃあ、彩芽で。」
「う〜ん、微妙。もっと他のないかな?あ!あだ名はダメね。
なんか違うから」
俺は困った。普段名前で呼んでるから、他の呼び方が思いつかない。
「・・・・・"あや"は?」
そう呼ぶと彼女は喜んだ。
「いいよ!!よし、今後それで呼んでね〜」
「みんながいる前でも?」
「当たり前。何か文句でも?」
「いえ別に...」
なんか、性格まで変わってないか?
女って分かんない・・・
そして、俺たちはこの話を終え、
バングルの話をする。
とりあえず、今わかっている事を彼女に説明した
「へ〜そうなってるんだ。
結構ハイテクだね。」
「俺もそう思った。
ところで、誰から見る?」
「う〜ん。じゃあ、私から見せてくれない?
どんな事が書いてあるか知りたい!」
俺はモニター内の彼女の顔を押す。
そして、情報が出てくると、
彼女は急に顔が赤くなった。
「ちょっと!!!!なんで、、、
こんな事書いてあんのよ!!」
そこに出てきた情報はこれだ。
「佐藤 彩芽
身長 155 B80-W54-H78
好き:日本刀
嫌い:抹茶」
どうする、ここで戻した方がいいのか?彼女の顔はまだまだ赤い。
すると「早槻くん」と声をかけられた
「はい!戻しますね」と言って
ボタンを押そうと思った。
しかし、
「違う。それより、、、、見た?」
「刀剣女子って事ですか??」
「違う!その上・・・・」
ここは正直に言おう。
「目に入った・・・」
「もう、、、変態...」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「(あーー!空気が重い!!重すぎるよ!
よし!何も言わずに変えよう。)」
俺はボタン押し前の画面に戻す
すると、隣にいる彩芽から
「あんたのも見せなさい!!
不公平だから。」
「不公平って、見ても何にも楽しくないよ」
「いいから!見せなさい。
なによ、自分は見ておいて人には見せないつもり?なんて変態思考なの!」
「あぁ!!わかった。分かったから。
見せます。見せますから。」
「よろしい。」
おれは自分の顔を押した。
「畑野 早槻
身長 169 B84-W65-H78
好き:寝る事
嫌い:両生類」
と一度見た画面が再び出てくる。
「う〜ん。ほんとだ。何にも楽しくない。
好きな事が寝る事ってつまんなすぎでしょ」
なんだこの言われよう・・・・
これ以上言われたら、俺の心が折れそうだ。
「別の人見ようよ」
「誰にする?」
「カトレアちゃんかな〜
なんか凄そうだし。」
そして、再び画面を戻し、カトレアを押す。
「カトレア・マークロンド
身長 164 B88-W57-H86
好き:紅茶
嫌い:虫」
すると、彼女は声を出して驚く。
「はぁ?!!!」
「静かに。みんな起きちゃうよ」
彼女は「ごめんね」と言った後
ジッとカトレアを見た。
しかも、胸ばかり。
「(やっぱり、そうだよな〜)」
すると、彼女は自分の胸と
カトレアの胸を交互に見る。
それを何往復かした後、突然
「早槻くんは大きのと小さいの、
どっちが好き?」と物凄い質問をしてきた。
「え?!いや、どっちかって言われても・・・・」
「何方かでいいのよ」
「じゃあ、、、大きいの」
そう答えると、
彼女はドスの利いた声を出して近づいてくる。
「あっ?!!」
やばい・・・・殺される…
「もう一回、、言ってみなさいよ」
しかし、彼女は俺に近づきすぎた。
顔と顔は向かい合う。
その距離わずか約5センチ。
たびたび彼女の息が当たる。
もちろん声など恥ずかしくて発せない。
顔が熱い。とても熱い。
そして無意識に目を他の方向をずらしていた。
「ち、ちかい・・・・です」
そう言いと、彼女は離れていった。
そして、衝撃の一言を放つ。
「早槻くん。私、多分貴方の事好きかも」
「へ〜そうなんだ・・・・はぁ?!」
「だから好きになったの。
だって、貴方といるとすごく楽しいし!
なんせ、可愛い。」
俺は凍りついた。
こういう場合どうすればいいか分からないからだ。
すると、ソファーから愛沙が起き上がる。
「ふぁ〜おはよう。いや、今って、こんばんは?
てか、2人とも起きてたの?」
「そうだよ。私たち暇だったから
お喋りしてたの。早槻くんって
こう見えて、面白い人だよ。」
「おぉ!あやめんちゃんものっき君の魅力に気づいたか」
「魅力って、、いつからそんなの勝手に付けたんだよ。」
「う〜ん。分かんない」
「じゃあ、早槻くん。またお話し
しようね♪」
それから愛沙はリビングから消えた。
「(あいつ、、、絶対性格まで変わってるだろ。
しかも、俺の前だけ特に)」
俺はバングルで時間を確認した。
現在の時刻2:34