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10/13→10/?? 一瞬の隙

62話

目の前には無数に闇が広がっていた。

四方八方何処も闇が広がっており、

遠い彼方を見ても光など存在しなかった。

何故この様な場所に居るのか?

何故誰もいないのか?

何故・・・動こうとしないのか

本来ならばこの様な場所からは逃げ、

何処か遠くへ、安全な場所に行くものだ。

それはまさに本能でもある。

しかし、男(自分)は何故か動こうとしない。

ここが一番安全だと思い込んでいたからだ。

闇の先には男(自分)の仲間が居るというのに。

ふと足元を見ると、闇がだんだん(むしば)んで

行くではないか。

それは液体のように波打ち、暖かくも

なければ冷たくもない。

これに全身飲み込まれれば死ぬ

そう男(自分)は思った。

しかし、それでも動こうとしない。

それは、ここで死んでも構わないと

思ったからだ。

闇は予想以上の速さで男(自分)を蝕んでいく。

彼は死を覚悟した。

そして、首元まで闇が迫ってきた時。

「起きて。早槻くん」

と何処からともなく声が聞こえた。

その声は他の者にとっては毒を(はら)んでいた。

しかし、男(自分)にとってはまさに希望だった

理由は分からない。だが、何故かそう

思ったのだ。

あの声をもう一度聞きたい。

心の中でそう何度も何度も繰り返すと、

頭上の遥か上から光が差してきた。

彼処(あそこ)にたどり着けばあの声を聞ける。

そう思い、必死に手を伸ばす。

しかし、男(自分)の身長では届くはずもなく、

闇もそろそろ全身を蝕んでいく。

そして、遂に闇が全身を蝕んだ。

息もできず、視界も完全に閉ざされた。

しかし、男(自分)は藻搔いた。

こんな所で死ねるものか。

先ほどまでの思いとは打って変わって、

今は生きる事を第一として考えるように

なった

あの声をもう一度聞きたいと願ってしまったからだ。


ーーーーーーーー


目が覚める。

どうやらいつの間にか寝てしまっていた

ようだ。

しかし、何故かベッドの上に横になっていた

先ほどまでの事はあまり覚えていない。

頭がぼーっとして思い出せないのだ。

だが、ベッドの上に横になっていないのは

はっきりと覚えていた。

すると、突然視界に彼女は入ってきた。

「やっと起きた。」

「あや、、、あぁ、寝てたんだ...」

先ほどまで夢を見ていた。

酷くおぞましい夢だった。

思い出そうとすると、嫌な汗が身体中から

滲み出る。

しかし、その中で彼女らしき声が

聞こえてきた。

その声は希望だった。

早槻本人にも分からない。

何故彼女の声があそこまで希望に満ち溢れたものだったのか。

もしや、自分は彼女を求めているのでは

ないか。

そんな事も思ったりした。

だが、そんな事は決してない。

彩芽の顔を見ているとだんだんと記憶が

蘇ってきた。

彼女は人を殺し、仲間に嘘をつき、

尚且(なおか)つ信用すらしていなかったのだ。

そんな人間を求めているなど、決してない。

そう思っていた時、色気を含んだ声に

囁かれた。

「早槻くん。私と手を組もうよ。」

「はぁ??」

手を組むとはどういう事なのだろうか?

もうこの世界では敵と呼べるものは

いなくなった。

なのに、何故にその様な事を言ったの

だろうか?

「あや。なんでそんな事言うの?」

すると彼女は優しく頬を撫で、語りかけた。

「2人だけで生き延びよ。」

彼女はそれ以上言わなかった。

しかし、それはつまり2人以外の皆を

殺すと言うことになる。

そんな事勿論出来るわけない。

早槻は寝たまま首を横に振る。

「それは出来ないよ。俺はみんなと

元の世界に帰りたいんだ!

だから手を組むことは出来ない。」

彼女は頬を撫でるのをやめないが、

終始無言だった。

そして、彼女が手を止めると同時に

早槻はベッドから起き上がった。

「邪魔したね。もう戻るよ。」

扉まで歩きロックを外した時、背後にいた

彩芽から声をかけられた。

「そう言えば早槻くん。

部屋から出たらバングルをよく確認した

ほうがいいよ。」

「え?わ、分かった。」

そして、部屋から出た後すぐにバングルを確認した。

しかし、衝撃が走った。

バングルの表面には本来ならば

2つ光り輝く星があった。

しかし、何故か1つしか無かったのだ。

体全身に恐怖が襲ってきた。

冷や汗がとまらず、悪寒がした。

いつ殺されたんだ?

寝ている最中か?

疑問に思っている中、ふと思い出す。

「あの時だ...」

それは2人が唇を重ね合わせた時だ。

あの直後に早槻は意識を失った。

毒か何かでも盛られたのだろうか?

信じたくはないが、これが真実だ。

彼女は唯一信用している人間ですら

殺したのだ。

恐ろしい。本当に恐ろしい。

早槻は手の震えが止まらなかった。

しかし、一旦彼女の事は忘れ、

リビングに向かって行った。

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ほぼ毎日出しますが、不定期で出さない時があります。理由は、ゲームです!! その時は申し訳ないですがお許しをm(_ _)m
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