9/30 初ミッション
その音はみんなのバングルからも
鳴ったらしい。なので一斉に確認した。
そこには、『mission』と書いてあった。
「ついに来ましたね...」
「はい...でも、みんなで協力すれば
絶対大丈夫ですよ!!」
そして、次の瞬間バングルに書いてある文字が変わる。
『自己紹介をしろ』と。
「・・・え?今日のミッションってこれ??」
俺はもっとハードですごくキツイのが来るかと思っていた。
だが、何だこれは?簡単。すごく簡単だ!
すると、隣にいるカトレアがみんなに向けて
「それでは、皆さん自己紹介を
始めましょう!!」
「そうだね!!!じゃあ、私から
言うよ。初めまして!!
私は 山崎 愛沙
よろしく!!」
「(天然の子は山崎 愛沙って言うのか・・・)」
「そ、それでは、次は私が。
初めまして私は 佐藤 彩芽と言います。
よ、よろしくお願いします。」
愛沙と同じソファーに座っている
女性が言う。
彼女はまだ緊張しているのか、声が少し震えている。
「連続で女性が名乗られたので、次は私が言います。
初めまして私は カトレア・マークロンド。
日本とアメリカのハーフです。」
「ハーフなの?!!!綺麗な金髪だね。」
「ありがとう。早槻君!」
・・・・・・・キュン
この短時間で君呼びになるなんて
なんて!!なんて最高なんだ!!!
そんな事を思っていると、カトレアは俺の自己紹介もしてくれた。
「それで、私の隣にいるこの人、
この人は 畑野 早槻君です。
よろしくしてやってくださいね。」
「あっ!ありがとう。カトレアさん。」
彼女は微笑む。
「良いんですよ。
それに、さっき言い忘れてましたが
"カトレア"って呼んでください。
みんなそう呼んでますので。」
「あぁ分かった。ありがとう、
カトレア!!」
「いい雰囲気ですな〜。
まぁそれは置いといて、颯斗君と蓮君は先に
どっちが言うの?」
「?!!」
2人は同タイミングで驚いた
「えっ?!愛沙ちゃんは何で俺たちの名前覚え・・・いや、知ってんの?」
ん?なんか今、変な事言わなかったか?・・・気のせいか
「何でって、バングルのボタン押してないの?」
「ごめんリラックスしてた。」
「俺も、、、気持ち的に確認する気になれなかった...」
「そうなんだ!!見てみるといいよ
いろんな事が書いてあるから!」
「分かった、そうするよ。
じゃ、俺から自己紹介するわ!
俺の名前は 森川 蓮
よろしく!!
で、次は颯斗の番ね。」
蓮はくせっ毛こと颯斗にパスを出す。
「あぁ、分かった。
初め、、、まして...俺の名前は
佐々木 颯斗。」
すると、突然愛沙が叫んだ。
「猫好き!!!!!」
それを聞いて颯斗の顔が急に赤くなった
「な、何でそれを?!!!」
「これだよ。これ!」
彼女はバングルを得意げに見せる。
「いろいろ書いてあるよ〜」
「嘘だろ...おい!!『A』出てこいよ!!」
しかし『人物A』の声は聞こえない。
「クソッ!余計な事を!!」
「外見はクールに見せてるけど、
中身は可愛らしいんですね〜」
「う、うるさい!!」
俺はボソッとカトレアに言う
「愛沙って、、、凄いよな〜」
「そうですよね〜。凄く可愛らしいです。」
「いや、そこじゃなくて...
空気を和やかにしてくれる所。
羨ましいよ。」
「あなたも凄いですよ。見知らぬ私と
こんなにも仲良くして頂いて、
感謝しています。」
「カトレア・・・・」
すると蓮が突然喋り出した。
「あの〜いいすか?」
「ど、どうしたんですか?蓮さん?」
「今まで黙ってたけど、もう言うわ。
実は俺たち・・・・」
しかし、彼は言葉が詰まる。
「言いたくなかったら、言わなくて良いのですよ。」
「ありがとう。カトレア。でも言うよ。
実は、、、俺たち現代で知り合いだったんだ。いや、友達だったんだ!」
「・・・・・・・え??」
「マジか、、、、、」
「あらら〜〜」
「ごめん。今まで黙ってて。」
「おい。蓮!なんで黙ってたんだ?!」
「だってさ、正直みんな覚えてるかと思ったんだ。でもさ自己紹介してる時みんな"初めまして"って言うから
ビックリしたよ。気付いた?俺だけ言ってないの。」
「あぁ、確かにそうだ!!」
「でしょ。そんで自己紹介が終わって
からで良いかなって思ったけど・・・
でも、こんな事言っても余計に困るだけだよね。ごめん...」
そうなのか・・・
この事には、もちろん驚いている。
だが、俺は別のことで驚いている。
「なぁ蓮?なんでお前記憶があるんだ?俺は、お前らの事なんて覚えてないけど・・・みんなもそうだよな?」
蓮以外のみんなは首を縦にふる。
「なんでだろう?でもさ、覚えてるって言ったって、名前とあだ名だけだよ。」
「あだ名?なにそれ?俺たちの?」
「うん。」
「ねぇねぇ!教えてよ!!聞きたい」
「分かった。じゃあまず
畑野 早槻は『のっき』、
佐々木 颯斗は『はやとん』、
俺、森川 蓮は『れんれん』
山崎 愛沙は 『まあさ』
佐藤 彩芽は『あやめん』
カトレアは、、、『カトレア』」
「私、、、変わらないのね...」
やばい。カトレアが落ち込んでいる
「カトレアはそのままでもいいと思うよ!!
付け加えたり減らすより、
そのまま、オリジナルが至高だよ!」
「早槻君・・・ありがと」
彼女はその言葉が嬉しかったのか
俺に抱きついた。
「あっ!!!良いんですよ〜。
(ありがとうございます!!)」
「よ〜し!!ミッションも終わったし
みんな!!自由行動だ!!!」
「そうしましょうか。
では皆さん12時までには帰って来てください。
お昼ご飯をみなさんと食べたいですから。」
「そうだな!じゃあ、俺食材買ってくるよ」
カトレアは俺から離れ
「なら私も!!」と言った。
「おぉ、買ってきてくれるの!
ありがとう。でもさ、お金はどこにある?」
すると、突然奴の声が頭の中に響いた。
「お金でしたら、あなた達の右の
棚に入ってますよ。
1日ごとに追加されていきますので
無駄遣いしないように!!」
「おい!!『A』話がある。」
だが、『人物A』の声は聞こえない。
「あ、あいつ!!」
「まあまぁ、落ち着きな。はやとん」
「おい!蓮、ダサいからやめろ」
「ひどいな〜!まぁでも俺は呼び続けるから。
我慢しな」
「チッ...」
「俺じゃあみんな!!解散。」
そして、愛沙と彩芽は家から出て行った。
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