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第56話 再び軍備縮小



1916年4月、統合作戦本部で会議が行なわれ陸海空軍の平時体勢への移行が決定された。

まだ世界では戦争が続いているところもあるがアジア地域では終結し、だいぶ平穏さが取り戻されている。

戦争終了後の各地の地域情勢の変化については戦争が全て終わってからまとめて説明するので少々お待ちを……。


とりあえず海軍の現有艦を紹介しておこう。

海軍はこの戦争で多数の新造艦があり、かなり数が増えている。


まず戦艦が旧式艦を含めて13隻。

「美作」型4隻と「安芸」型が4隻、それに「朝日」などの旧式艦が5隻いる。

旧式戦艦はこの大戦では主に船団護衛に従事していた。

戦艦で沈没した艦はない。


航空母艦は練習艦となった「宮古」を含めて5隻。

数が増えているが、これは終戦間際に商船改造空母「蓬龍」型2隻が完成したためである。

無論実戦には参加していない。

「鳳翔」よりも若干大きい空母だが搭載機は逆に少ない。

商船改造だったためであろう。

空母も沈没艦はなし。


装甲巡洋艦は16隻。

「箱根」型が4隻、「白根」型と「出雲」型がそれぞれ6隻である。

数々の実戦に参加、傷つきながらも戦い抜いた艦が多い。

特にカルカッタ沖海戦は装甲巡洋艦が中心となって戦い勝利を掴んだ。

今後も期待のかかる艦種である。

今回の大戦では潜水艦の雷撃で「筑波」「生駒」の2隻が戦没。


次は二等巡洋艦。

現在保有している数は16隻。

内訳は「天龍」型8隻、「美々津」型6隻、「対馬」(史実の「新高」型)型1隻と「笠置」型1隻である。

戦中は水雷戦隊旗艦、船団護衛、哨戒など様々な役目をこなした。

あらゆる戦域に投入され活躍、多くの戦果を上げる。


当然その分戦没艦も多く、「美々津」がビスマルク海海戦で、「揖斐」(「美々津」型)が敵潜の雷撃で戦没。

他にも「壱岐」(「対馬」型)が蝕雷、「笠置」が敵駆逐艦の雷撃で沈没している。

「笠置」が戦没したのは1915年4月、アンダマン諸島沖。

単独で哨戒任務についていたところ、たまたま現れた敵駆逐艦4隻と交戦し1隻を撃沈したが残りの艦の雷撃で沈没した(アンダマン諸島沖海戦)。


そして駆逐艦だが、彼らは5種94隻もいる。

戦争開始後も船団護衛に従事する護衛駆逐艦が追加で建造されたためだ。

彼らもあらゆる海域であらゆる任務をこなしている。

敵艦隊への雷撃、船団護衛、哨戒に加え掃海や溺者救助までが彼らの仕事だ。

まさに便利屋として活躍するが戦没艦が絶えなかった。


戦没艦は合計18隻。

その内訳は、敵艦との交戦が7隻と最も多く、次いで敵潜の雷撃4隻、蝕雷2隻、座礁1隻、航空攻撃1隻、衝突事故1隻、防波堤とするため自沈したもの2隻である。

ちなみに航空攻撃は1915年1月のマレー半島への兵員輸送作戦の際のものだ。

もはやすでに戦力を喪失していたインドネシア軍の航空隊だが、残存機全てをかき集めて(といっても水上機とあわせてもたった15機だったが)日本の船団を攻撃したのである。

そのときの話では簡単にしか触れていなかったがこの攻撃で護衛駆逐艦「楠」が沈没、輸送船1隻が損傷した。

「橘」の沈没原因は小型爆弾が魚雷発射管に命中したことで搭載魚雷が誘爆したためだ。

しかし、敵機は対空砲火で7機撃墜され、残りも駆けつけた間接護衛隊の空母艦載機により全て撃墜されている。

「楠」は日本海軍初の航空機の攻撃で沈没した艦艇となった。



最後は潜水艦。

本大戦では装甲巡洋艦などの大型艦艇をも葬るなど大手柄を立てた。

もちろん通商破壊、哨戒、港湾監視などでも彼らは八面六臂の大活躍である。

終戦時残存艦は5種71隻。

開戦時に56隻、その後24隻が追加で建造され大戦後期に竣工している。


戦没艦は9隻。

沈没原因は潜水艦の性質上不明であるが、大体は敵哨戒艇や駆逐艦に発見され爆雷攻撃を受けたか、浮上中に砲撃を受け沈没したものがほとんどだろう。

ソナーがまだお粗末であることからほとんどは後者だと思われる。

潜水艦自体もまだ潜っていられる時間はさほど長くないし。


さて、大体こんなところである。

他にも旧ベトナム海軍などの東南アジア諸国海軍が保有していた艦があったが、それらは全て武装を減じて海上警備隊(戦時は海軍の指揮下に入るが、平時は警察の組織の一部)の警備艇となるか除籍されて解体された。

日本海軍で運用しようにもすでに旧式化していたり、同型艦がいなくて戦隊がくめなかったりしたのである。


それで今回の軍縮で廃棄の対象となったのは以下の艦艇。


戦艦    「朝日」以下5隻

装甲巡洋艦 「出雲」以下6隻

二等巡洋艦 「対馬」「明石」

駆逐艦   護衛駆逐艦を中心に30隻

潜水艦   15隻


他にも雑役船なども旧式艦が除籍されることとなり、かなり海軍はすっきりとする。


ただし海軍には現在も建造中の艦艇がいくつかあった。

それらも軍縮により建造が中止されたり、計画を変更して民間の輸送船として就役することとなる。


とりあえずそのうち主な艦艇は以下の通り。


戦艦    「金剛」型   4隻   建造を継続

装甲巡洋艦 「磐梯」型   6隻   起工中止

二等巡洋艦 「黒部」型   4隻   建造中止

駆逐艦   「峰風」型   24隻  起工した8隻はアルゼンチン海軍へ売却。残りは起工中止。

兵員輸送艦 「宮島」型   4隻   起工した1隻は客船へ改造後日本郵船へ売却。残りは起工中止。


また、現有艦の中にも他国海軍に売却されるものがあった。

空母「逢龍」型はブラジル海軍が空母のノウハウを身につけるために購入したいという要請があったので売却している。

もともと商船改造空母であり、艦隊型のものでないため速力も遅いし搭載機も多くはない。

技術的には多少新技術が流出することになるが、その分高く購入していただこう。

ブラジルの元首の角田すみだは友情割引はないのかとごねていたが、これは商売だからな。



そして次は陸軍。

陸軍は新しく設置されるインドネシア方面軍などのために逆に部隊を増強しなくてはならなくなったが、新設部隊はあくまで現地の兵を使うということにしているため本土の部隊がかなり削減された。

これにより既存の8つの方面軍から30個もの師団が順次削減されていくことが決定、しかしそれとほぼ同じだけ東南アジア各地で新設されているので大した効果はなかった。

しかし、現地で兵士を集めるのでそこで雇用を生み出すことにはなり、それにより多くの若者が職を得ることができた。


それと空軍だが、これは多少1個航空師団あたりの定数を削減しただけで大した変化はない。

むしろ新たに領土に入った地域の防空のため数を増やさねばならず、これも軍縮どころではなかった。

ただ、例のごとく急には増やせないのでチマチマとしていくしかないが。


さて、この軍縮や各企業の生産縮小などにより大量の失業者が発生することになったが、その対策は大量の土木工事を起こすことである。

まだインフラの整備が出来ていないところが非常に多い。

さらにダム建設などの大型事業も計画されている。


そしてその事業の一つにクラ運河建設計画があった。





ここ最近本当に暑いですね…。甲子園で頑張る球児達はあの炎天下の中本当によく試合をやっていると思います。昨日中国勢がいきなり2校もやられてしまいましたが、我が県代表の広陵高校には是非優勝して欲しいものです。頑張れ、広陵!

(全く関係のない話ですいません。しかも皆さんそれぞれの県を応援してらっしゃるというのに…)

甲子園に熱中して更新が滞るかもしれませんが、お許しください。ストックはあるので忘れなければ更新はできますが。


今回の名言↓

「山あいの町の子供たちに一度でいいから大海を見せてやりたかったんじゃ」

―蔦 文也(徳島県・元池田高校監督)


我が県の広島商業は彼のチームに決勝で見事に粉砕されたようですね…。

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