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第14話 戦争への道



1910年1月1日、俺は突然南アメリカ合衆国領であるハワイへの呼び出しを受けた。

いや、呼び出されたとは言わないな。

拉致されたも同然だ。

何しろ朝起きたらハワイに居たんだから。


ここに拉致られてきたのは俺だけではなく、今回のゲームに参加している生徒40名・教員5名全員がここに集められた。

みんな起きたらここに居たらしい。


まぁそれはさておき久しぶり(この世界の中では10年経っているから)の友との再会にみんな楽しそうだ。

俺も友達と他愛もない話で盛り上がり、本当に楽しいひと時だった。

しかし、それはすぐに消し飛んだ。

突然あの出島とかいう男(ルール説明をしたおっさん)が現れ、とんでもないことを告げたからだ。


「皆さん、静粛に。これから私の言うことをよく聞いてください。聞いておかないと大変なことになりますよ。いいですか?では始めます。これから丁度4年後、第1次世界大戦を開始することが決定いたしました」


俺達の間に緊張と動揺が起こる。


「今皆さんの国の周りには皆さんたちのいずれにも属していない国、いわゆるコンピューター制御の国と帰属未定の地域があると思います。それらの国・地域は1914年1月1日に隣接、もしくは近くにある国に合併することを宣言します。その帰属をめぐり戦争が始まるわけです。もちろん受け入れさえすれば戦争は起きませんがね」


俺はなるほど、と思った。

そういえば大抵どの地域にも俺達の支配していない国や地域が満遍なく残されている。

それをめぐって戦争をしろというわけだ。


さて、今度もあのおっさんの説明を要約していく。

戦争を起こす理由はさっきのおっさんの説明そのままでもいいだろう。

で、概要・ルール等について。

まず、1914年1月1日に自動的に自分が隣接する国、もしくはコンピューター制御の国を挟んで隣合う国とは交戦状態になる。

もちろんその独立国の帰属を双方が認めればその時点で講和成立、戦争は回避できる。

しかし基本的に回避は難しいようにできている。

莫大な資源が眠っていたり、世論が好戦的になるように仕組んであったりするらしい。


ただ、1対1で戦争をやれば大国が勝つのは目に見えているので、小国どうしが団結して戦うという構図になるようにも仕組んであるということだ。

事実、今回の会合でいくつかの同盟(とは言っても仲良しグループが一緒にがんばろー!と作っただけの簡単なものだが)が成立している。


さて、これにより俺は方針転換をしなくてはならなくなった。

今まで軍縮を進めてきたが戦争をするにしても平和に外交交渉で終わらすにしても、軍備による脅しが必要である。

銃剣外交とまでは言わないが、交渉を上手く進めるには強大な軍隊が背後にあったほうが絶対有利なのだ。


だから西安に帰ったその日(また同じように瞬間移動で帰らされた)のうちに陸・海軍に緊急軍備拡張計画の策定を開始させた。

俺も両方に口出しをしている。

海軍に対しては戦艦の性能や駆逐艦の対潜装備、潜水艦の充実などについて、陸軍には騎兵旅団の全廃や遅れている戦車開発の促進など。


また航空機の性能向上により兵器として十分使えるようになってきたので、陸上での航空機運用を扱う「空軍部」を新しく国防省傘下に設置した。

これはそのうち庁に格上げをしようと思っている。


軍備拡張と同時に周辺国との外交交渉も活発化させた。

別に大した帰属未定の地域もなく、現在安定した外交関係を持つ国とは不可侵条約を結んでおいたほうがいい。

四方全てを敵に回して勝つなんて無理だ。


そこで北のモンゴル・極東ソビエト帝国とは不可侵条約を締結させる。

カザフスタンに対しては帰属未定のキルギス・タジキスタンなどを平和的に分割する方針で交渉を行う予定だ。

いざとなれば全面的に譲歩して全てをカザフスタンに併合させても構わない。

これといった資源も見つかっていないし、貧しい国々を併合したところで負担になるばかりだし。


しかし、東南アジアに関しては譲るつもりは全くない。

少なくとも現在どこにも属していないベトナム・ラオス・カンボジア・フィリピンは編入する気でいる。

これらの地域は史実と違い非常に豊富な資源があるからだ。

ベトナムとカンボジアは石油、ラオスは鉄、フィリピンはニッケルやクロムなどのレアメタルの宝庫である。

特に国内で未だ見つからない油田を確保するためにも「南進」が必要なのだ。


これの障害となるのがタイ・インドネシア・インド・オーストラリアの4カ国。

これらの国は悪いことに仲のいい女子3人とこれまた彼女らと仲のいい先生が治めている国だ。

一つ一つの国は大したことはないがやはり4つ集まれば脅威だ。

海軍力では4つあわせても圧倒しているし、もともと敵の軍艦は大型艦のほとんどが日本製と言う状態でほとんど手の内を知っているようなもんだから問題はない。

問題なのは上陸しての陸戦となったときだ。


インドネシアやタイはともかく、オーストラリアやインド全土を占領するのははっきり言って時間と金と人命の浪費というほかない。

第一それだけの兵力を召集して攻略したとして果たしてそれに見合う見返りがあるのかどうかは怪しい。

だから戦略としては敵海軍を蹴散らし、敵の重要拠点を占領して講和に持ち込むというのが基本になるだろう。


俺は皇居の一室で地図とにらめっこをしつつ頭の中で戦略を考えたり、インターネットで第一次大戦の資料を探すなど忙しい日々を送る。

そうして数ヶ月後、陸海軍の緊急軍備拡張計画は始まった。




自分の文を読んでいるとあまりのミスの多さに自分でも時々あきれます。投稿してからまだ1ヶ月にも満たないのにもう何度修正したことか…。文章も読みにくいところが多いと思いますがこれからも読んでやってください。


今回の名言↓

「戦争はほかの手段をもってする政治の継続にほかならぬ」

ークラウゼヴィッツ

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