月光
帰り道
スズカケノキは好みの葉色になり
かえりみち
温度は加減よく下がる
紺瑠璃の空
スクランブル交叉点
せちがらい人の歩み
信号が瞼を閉じる
狭い胸の中でコポコポ
波が荒く泡立つ
静寂は騒がしい
夕べの友を思う
ひさしぶりの再会
でもぜんぜん変わってなかった
いつでも会ってるみたいだった
人なんて変わらない
根本は変われない
自分はそうだよ
なんにも良くなってない
こんな自分を誰が愛すのか
自分は誰も愛したくはない
それではだめなのですか?
世界が落ちていく
フィルターの中
真っ暗にならないのは
月光のせい