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最初
裁判官が入った直後に、裁判員の方々も入廷する。
そして、着席すると、裁判が始まる。
流れは大体いつも同じだ。
だから、そのことをみんな理解したうえで、裁判を傍聴している。
本人確認が終わると、検察官の起訴内容の朗読だ。
それも、全て把握済みのものになる。
なにせ、本人であることは間違いないし、地裁で裁かれる内容は外患誘致罪だ。
そこまで分かっているから、このあたりまでは、流れ作業にならざるを得ない。
「では、これより休憩をはさむ。5分、休憩とする」
その声と共に、廷内の人たちの半数が立ちあがって外に出る。
私のそのうちの一人だ。