プロローグ
―君は転生を信じますか?
昨日合コンでの話題がそれだったことを覚えている。
とあるアニメを題材に他の人が書いた小説にこういった導入がされているのがある。
まあ、そういうのは俺は結構好きだ。
しかし俺、西藤 トウカは転生を信じたくない!
PM6:44 転生まで5時間16分
リリン リリン
喧しい目覚ましの音で、目が覚める。
・・・やばい。
先輩に合コンに誘われてたんだった。
時計を見ると―午後6時44分。
(さすがに急がないとヤバいな)
もそもそ、とTシャツとGパンに着替えると、急いで財布と携帯を持って家を出た。
PM7:01 転生まで4時間59分
「トウカー、遅かったな!」
佐藤 水瑠、俺の一つ上の先輩だ。
ちなみに俺を合コンに誘ってくれた先輩だ。
「まだ一分しか遅れてないですよ」
「その一分が運命の分かれ道なんだよ」
桜木 青、俺と同級生で昔からの幼馴染だ。
「さて、全員集まったことだし始めますか。」
PM11:57 転生まで3分
みんなは二次会に行くそうだが俺は先に帰ることにした。
帰り道は上り坂で街灯もなく真っ暗な住宅街の裏道を歩いている。
しかし、最後の話題はないだろ。
《お前ら転生って信じるか?》
転生なんてあるわけないだろ。
アニメや小説ならあるかもしれないが・・・
そんなことを考えるのは小さい頃に魔法使いになりたいとか、ヒーローになりたいとかいうのと一緒だ。
俺は携帯で時間を確認した。
PM0:00
翌日、西藤 トウカの葬式が行われた。