少女と妖精
無邪気な妖精には気を付けよう。
あるところに、小さい少女がいました。
その少女のいる村は、貧しいところでした。
少女は、毎日小さく音の鳴るお腹を押さえては、その辺に生えている草をむしり、小腹を満たすことは日常でした。
そんな生活を送りながらも、少女は誰かを疑うことを知りませんでした。
とても純粋だったのです。
少女はやせ細った体で、周りの大人たちを手伝います。
大人たちはそんな少女をいいようにこき使っていました。
そして、そんな生活もしばらくして、近年まれに見る飢饉が起きました。
ただでさえ、少なかった食料がさらに少なくなったのです。
大人たちは考えました。
そして、少女を森の奥に捨てました。
口減らしです。
少女は大人たちの「必ず戻ってくるから、ここで待っていなさい」という言葉を疑いませんでした。
日が落ちて、辺りが暗くなっても、少女は待ち続けます。
寒さで震える身体を抱えて、必死で寒さをしのぎます。
それでも大人たちは戻ってきません。
すると、そんな少女の目の前にキラキラが現れました。
キラキラは「どうしてここにいるの?」と聞いてきます。
少女は大人たちを待っていると伝えます。
キラキラはそれを「嘘だ」といいます。
ですが、少女はそれを否定します。
キラキラは頑固な少女に「それじゃあ見せてあげるよ」とひとつ魔法を唱えます。
すると目の前に、大人たちが映し出されました。
大人たちは村で話をしていました。
「邪魔者がいなくなって、清々した」と。
少女は信じられませんでした。
そして、分からなくなりました。
大人たちは「必ず戻ってくる」と言ったのに、どうしてそんなことを言ったのかを。
同時に少女は初めて感じるものに困惑しました。
胸の奥がふつふつと燃えるように熱くなっているのです。
キラキラはそれを「怒り、憎しみの感情」だと言いました。
そして「大人たちは少女をだまして、森の奥に捨てた」とも。
人の悪意を知った純粋な少女は、怒り、憎しみの感情を覚えました。
そして、思いました。
「絶対に許さない」と。
キラキラはそんな少女に無邪気な笑みを浮かべて言いました。
「僕たち妖精が協力してあげるよ」と。
………………
それからしばらくして、誰もいなくなった貧しい村に一人の少女が佇んでいました。
その傍らのキラキラとともに。




