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皆殺し地蔵vs致死率300%事故物件  作者: 結城 からく


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2/2

後編

 怒り顔になった地蔵が跳躍し、眼帯の男の頭部に炸裂した。

 顔面が血飛沫を上げて爆散して死体が崩れ落ちる。

 地蔵は勢い余って貫通し、壁に穴を作っていた。


「うわ!?」


「ひいぃぃッ!」


 部屋全体が激しく揺れる中、二人の男が逃げようとする。

 ところが玄関扉が勢いよく閉まって勝手に施錠された。

 すぐさまドアノブを回そうとするが、びくともしなかった。


「あ、開かない!?」


「俺達を逃がさないつもりなんだ!」


「そんな!」


 二人が苦戦する間に、地蔵が助走をつけて突進を行う。

 その頭部が茶髪の男の背中にめり込み、肉を潰して骨を砕いた。

 茶髪の男は吐血して唸る。


「げぶっ」


 致命傷を負った茶髪の男は倒れて痙攣する。

 その頭部に地蔵が落下して完全に砕いてみせた。


 野球帽の男は一部始終を見ていることしかできなかった。

 顔面蒼白の男は、腰を抜かして呆然とする。


「う、嘘だ……こんなバカなことが……」


 血みどろの地蔵を前にして、男は部屋の窓に注目する。

 彼は近くにあった椅子を持ち上げると、渾身の力で窓に叩き付けた。

 窓に小さな亀裂が走るも、割れる気配はない。

 異様な耐久力だった。


「くそ、ふざけんな! やばいって! 本当にっ!」


 焦る男は何度も椅子を窓にぶつける。

 それでも亀裂が僅かに広がるだけだった。


 とうとう地蔵が男を狙って突進を仕掛ける。

 男は咄嗟に屈んで避けた。

 攻撃に失敗した地蔵の頭部が窓に激突して粉々にする。

 地蔵は血を散らして床に転がった。


(逃げるなら今しかない――!)


 男は窓の外へと飛び出した。

 二階から落下した彼は地面に腰を強打する。

 男は激痛に呻きながらも、なんとか這い進んでアートの敷地外へと脱出した。


「こ、これで仕事は……完了……だ」


 男は苦しげに振り返る。

 アパート全体が倒壊する勢いで振動していた。

 室内からは絶えまなく騒音が聞こえてくる。


「地蔵と事故物件が殺し合っている……どっちが勝つんだ」


 そのうち室内で爆発が発生した。

 窓から炎が噴き出してアパート全体が燃え始める。


(皆殺し地蔵が勝ったのか)


 刹那、さらに大きな爆発音が轟く。

 壁を粉砕し、地蔵の破片が高速で飛散した。

 無数の破片は散弾のように降り注ぎ、男の全身を引き裂いた。


「えっ……あうあ……」


 破片が脳に到達する感覚を味わいながら、男は絶命する。


 やがて破片同士が繋がって修復し、元の地蔵になった。

 一方でアパートの炎は小さくなって消える。

 地蔵はひとりでに転がって敷地内へと戻っていく。

 両者の戦いはまだ始まったばかりであった。

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