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第一章 教師宇津 弥美子就任

「いだぃ、、、いだいっ!」

薄暗い放課後の学校に人間から出ているかも疑うような重低音が鳴り響く。

ドスッ。ドスッ。

男子生徒が女子生徒を逃がさないように周りを取り囲んでいる。

「痛い、、、痛い、、、、、、、」




10年後

ドーンドーン

吹奏楽部の校歌の演奏が鳴り響き、生徒が入場してくる。

ここ、唐山中学は現在入学式を行っている。

桜は舞い散り、入学式の看板には写真目的の保護者が列を作っている。

教室には美術部が書いたであろう黒板アート、手作り感満載の飾りつけ、新品の消しゴムのにおい、再会を喜ぶ女子生徒、勇気をもって隣の席に話しかけるやつ。

私はこのすべてが嫌いだ。

春は別れと出会いなんていうが、そもそもここ唐山中は少子化の影響で周辺の小学生はここへ進学する。

だから、出会いも別れもくそもないのだ。

なのに「やだぁ~○○ひさしぶりぃ~」なんてほざきやがる。ほんとふざけてる。

そんなことを考えているうちに生徒全員が入場を終え、演奏は鳴りやむ。


「一同起立!」


立ち上がる時の椅子の音も何百人と集まればさすがにうるさくなる。どんくさい奴は遅れて立つため静かな空間に一人目立って立ち上がるので恥ずかしそうにしている。それも嫌いだ。


「礼!」


これだけはみな揃て頭を下げれる。ただ上げるタイミングだけはほかの人のを見てから頭を上げるため、タイミングはバラバラになっていた。どんくさい奴も安心そうにしている。

入学式はその後有象無象たちの何のひねりもない挨拶と先生の紹介で終わろうとしていた。

「1年1組神沼江美子先生」

「1年1組担当神沼江美子です。よく美人ていわれます(笑)」

しょうもない挨拶。もっとひねればいいのに。

「1年2組松本日戸士先生」

「1年2組松本日戸士です。筋トレが趣味です!」

筋肉つけてるやつはおもんないってだれか言ってたような。

「1年3組宇津弥美子先生、、、あれ?宇津先生?」

私のクラスだ。どうやら忘れていたらしく、体育館を全力疾走している。

私は体育館の揺れを感じながら先生が前に立つのを待っていた。

「はぁ…はぁ…いっ、1年3組担当宇津です。。躁鬱です。」

体育館が静まり返るのを感じた。

ごめんなさい

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