問題
それから俺は仕事の以外の時間にエンジンの設計をすることにした、作るのはバイクなどに使うような単気筒のエンジン(内燃機関)、ピストン、シリンダー、クランク、カムシャフト、歯車、クラッチ、変速機など、設計図は数十枚にもなった、必要な部品全てを設計し終わる頃には1つ年を重ね14歳になってしまった、、休日はもちろんのこと食事の後は真っ先に自分の部屋にこもり夜遅くまでやったこともある、1度夜更かしをしてしまい寝不足で仕事に支障が出てしまったときは母アンにこっぴどく叱られた。
この世界でエンジンを作るためには色んな問題がある、まずは燃料が無い、ガソリンどころか石油という物が無い、それにバッテリー、電気をどうやって作るのかも問題だ、気化した燃料に火花を飛ばして点火し爆発を起こさなくてはいけないから、でもそれは解決出来そうだ、魔石を使えばいい、燃料は燃料石、バッテリーはバチバチと呼ばれる電気を起こす石がある、魔石をうまく使えばなんとかなりそうだ。
でもまだ問題がある、エンジンは凄く複雑で精密な金属の加工技術が必要だ、それに製作する場所も必要になる、工房の一角を借りる訳にもいかないし。
どうしようかと思い父エディに相談してみたところ工房の裏に今は物置として使っている水車のついた小屋を使っていいと言われた、元々は小さな鉄工房だったらしいが、20年前に大きな嵐に遭い川の形が変わって水車が使えなくなったらしい。
小屋の中には火を焚く場所、そして大きな古い機械があった、水車はこれを動かすためのものらしい、機械は錆びているがどうやら旋盤(材料を固定し回転させ加工する機械のこと)のようだ、実は工房にも旋盤はあるが足踏み式の小型のものしかない、鎧の可動部に使う細かい部品を作るのに向いているため大きい部品はさすがに加工出来ない、これが使えればある程度大きい部品の加工も出来るかもと思い希望が沸いた。
小屋にある荷物を整理してまずは古い旋盤を修理することにした、幸いどこも壊れている様子もなく油をさしてなじませれば問題なく動かす事が出来た、でも動力をどうしよう?
この旋盤は水車の力を使って動かしていたが今は使えない、そのためにまずは旋盤を動かすためのエンジンが必要だな。