隠された危機や真実
今にして思えば、あの時の自分は本当に救えないほど純粋すぎて
噂溢れるこの世の中、本当に純粋な心を持って大食い撮影をするYouTuberはそもそもいないんで。
それを知っても知らないふりして、噂や嘘に満ちる凝った空気の中でも元気な笑顔で無邪気にカメラに入って話すのは、台湾大食い界隈の真実。
ただその時の自分はまだ何も知らなく、まるで温室で守られている白薔薇のような、自分から見たこの世界は、いつも美しく、輝く、努力してる人だけを照らしている。
「うん、うん、わかった、、、わかったけど今そんなお金ないよ!」
電話の向こうからまたジャックの不機嫌いっぱいで、「うるせえな、とにかく5万、今回タイで開催する大食い大会、俺、」「1円もかかりたくないよな?」毎回もそういう風に言ってるから、このおケチには10年前から早々慣れた。
耐えられないほどシーンとした沈黙が約3秒
「、、、そうそう、まあ、とにかく明日な!」
「あ、あした!?早すぎない?!」
「親からよくお金もらってんじゃん?」
「あれは医塾の授業料だよ!」
「予備金じゃね?とにかく明日5万だな!」
「用意できるわけねえだろ!、、おい!?」
無情に切られた電話。
これが現実。
せめて今生きている、それでいい。
いつもこうやって自分に言って麻痺しているけど、この一生もうこいつとずっと繋がっているのじゃないかと、実はこの界隈ではみんな知ってるっしょ。
息苦しくなるほど凝った空気の中、窓から透き通る潔い月は自分からどう見ても、いつも高いところで貶しているような、見下しているような、次はまた何に遭うか予想できない愚痴ばかり言ってる我々貧乏庶民を、
「じっと見てんじゃん!」月の方に向かって、目を限界に挑戦するみたいに物凄く大きく開き、たいようが手を指しながら叫んだ。
「不快だな!検察官の息子でも別にお小遣いが多いわけじゃねえから!、、まああるはあるけと、」俯いてからまた月の方を向いたたいようは眉を顰め、「それでも勘弁してよ、、」
それでも再び俯いて、今回目に当たったのはLINEのアカウントで、この間結構楽しく話せた、桜井さめき。