第3話:瞬く間に、輝く星
ザーザーと、真っ暗な夜空から無情に地面を打ちつける雨水が果てのないところまで跳ねている。帰りの電車の中、窓から見た景色は心をモヤモヤさせる魔法があるみたい
「2月あの早食い試合、それは僕の友達たちは他の選手の表現や食べ方について話し合いがちだから、別に他の意味ないけど、」哲也さんの話をなんとなく思い出す。彼が現れてから、世界線が変わった。
「本当?!私の友達にめちゃ嫌われたけど、本当他の意味ないの?」
「まあ、あるはあるけど、それは、君が凄いですよ!僕らみんなもそう思ってるよ?」
本当そう思ってるの??再三再四確認した自分の心が優しい風に触れたように、落ち着いて安心した。
ずっとから信じていなかったのは、失敗回からメンタル落ち、自信の壁も崩れたわけだなと
「なるほど、台湾数々の強い大食いユーチューバーみんなはそう思っているのか、、なんか、、時折考え過ぎる嫌いがある私が大雨の止んだ夜空に頭を上げ、強がりでも主張している薄い雲を眺め、口角を自然と上げて、微笑んだ。
台湾の桜舞い散る季節は2月後半、日本では4月上旬だね。卒業したら北海道で働いたと言っても、コロ助のおかげで4月下旬臨時休館となり、仕事契約も早めに終わったということで、桜吹雪どころか、桜の蕾さえもまだ見えないうちに、もう帰らざるを得なかった。
春を迎える希望の光を手のひらの中、人に気づかれないよう静かにキラッと輝いてるのを想像しながら、週3〜4回のジムを私は通い、大食い撮影を週一回していると、視聴回数やファン数が徐々に増え、動画の内容やクオリティーへの要求も気づかないうちに厳しくなった。
その代わりに、いつも撮影の手伝いをしてくれる友達もだんだんそばから離れており、撮影オフの日までも1人きりの食事になった。
こんな虚しい雰囲気に囲まれる中、私は哲也さんの話を思い出した。
いつも明るい笑顔で周りの人達に接するような、食べる時全力で競技感出されるあの大食いユーチューバーは未だに忘れてないね、哲也さん、彼とコラボしたら面白そう、ちょっと連絡してもらえませんか?
哲也さんは優しげな顔はいつも、マナーも半端なく、相談もしやすそうと思いきや、、、
「あのう、、ジャックさんでしょ?コラボしたければ直接本人にメールとかで連絡してみたら?」
そうですよね、、、なんか挨拶とか何もしないまま友達におすすめされても、彼にとっては唐突すぎる、ただ人気のない女の子の存在だろう。
「しかも本当にコラボできたら彼と何のテーマで行きたいですかさめきさん?」
いい質問や。私は頭を上げ、考えながらも直感で答えた。「多分、寿司対決とか?」
ヤバい、コスト高そうな答えが出ちゃった。
でも今考え直したら、脈ありかも。
薄暗い部屋の中、私はいつも編集仕事で使っているタブレットのカバーを開き、ベッドの上に座り込んで、コラボリクエストメールを打ち始めた。
瞬く間に落とした大切な彗星が手のひらからだんだん落ち、桜の花びらの落ちるスピードと一緒で、彼の憂鬱な眼差しから綻んだ微笑みは、時折頭の中で、思いまま浮かべてくる。
ジャックさんからの返事が来た。
この間出会った哲也さんより簡潔に、ただの二つの言葉で、全ての趣旨も伝えた。
「雨希さんこんにちは、そちらと一緒に撮影しますか?それともチャンネルに関してのアドバイスを提供しますか?」
さすが台湾男子!簡潔!
もしかして彼らによってこれから有名にはなるかも??