第一話:大食いYouTuberに、私はなる!
時が流れ、厳冬の雪溶けて新春の桜散った。
台湾の桜吹雪遅くても3月で終わりだな。と、枝から生えた新緑を見て、ふと思った自分はYouTubeの画面を開き、
なんとかしなきゃぁ!中国語を教えるYouTuberから大食いYouTuberに変わってきたのは約半年前、Go To トラベル突然の停止、お客様から大量のキャンセルが湧いてきて、一瞬仕事なくなった自分も大変痩せちゃったので福井から一旦帰国。正直その時期は大変だったなー。母から見た自分は肋骨も見えるほど大変痩せて、怒りが絶えず、炭水化物、脂質、タンパク質、食物繊維など差別なく全部取れ!!と母の悲しさや怒りの混ざった眼差しを受け、私はネットで太るための食べ方を調べ、全ての食材も過量摂取し、ジムでも週3回以上通うようになった。
中国語を教える動画メインで定期更新してあるこの古いチャンネルには、たまに大食い動画も撮って軽く投稿しているが、振り返ってみると、視聴回数は教育的な動画より遥かに高かったし、コメントもそれより多くなり、自然の成り行きで、私は大食いYouTuberになって、一心に体鍛えつつしょっちゅう爆食いすることになった。
そしてついに、この古いチャンネルでは登録者数が止まって視聴回数も伸ばせなくなってきた。
なんとかしなきゃぁー!スマホを無目的に弄り、「コラボしようかな、、」
その時期の台湾では、大食いが始まったばかりわけじゃないけど、実力派大食いが活躍し始める時期にはなっていて、その中にある筋肉質男子、身長は同世代よりだいぶ高いし、いつも自信満々で大食いやっている、現役台北運動センターのスポーツインストラクター、哲也さん。
いいなぁ、チャンネル登録者数もまだ高くはないし、かっこも良さそうな感じだし、この時点でコラボしたらOKもらいやすそう、さぁ!この方にコラボリクエストのメール送ろうか!
馴染んでない中国語ビジネス(と言っても日本のビジネス形式で)メールを送り、2日、3日でも経たないうちに、返事が来た。
多分男の人のことで、ごく簡単な返信なのに、丁寧な挨拶もきちんとした内容でした。
‘’ご連絡頂きありがとうございます。哲也です。コラボ試合でどちら先に完食できるかという形で大丈夫ですかね?日程は来週火曜でよろしいですか?引き続きラインでやりとりできればと思います。よろしくお願いします。‘’
彼も効率よく日程を決めて、自分も嬉しい限りにコラボ内容を打ち合わせでき、火曜の12時半、私はさっさと身支度をし、玄関のドアを閉め、電車の中から走り出す、汗まみれで雑居ビルの森をくぐり、前回冷やし中華と同じ店の看板はやっと目の前に映した。
迎えに来たのは予想中背が高そうな哲也さんじゃなくて、前回お世話になった店員さんだ。
「前回の試合、サービス料なしで頂きまして、ありがとうございます!」私は45度感謝のお辞儀、店員さんの綻んだ笑顔を受け、
「こちらこそ、ご愛顧いただきありがとうございます。本日あなたのコラボ相手もう大変お待たせしましたよ。」えええええ!?!?!?