表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】エロゲーの主人公に転生したので、ルートがないのに人気投票で一番人気だったサブヒロインを攻略することにしました  作者: ネコクロ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/35

第19話「複雑な気持ち」

「なんで慌てるんだよ?」


 気になったので、尋ねてみる。


「他意はないよ」


 しかし、桂はジト目を返してきただけで、理由は教えてくれなかった。

 尋ねるべきじゃなかったのかもしれない。


「それよりも、どうするの? もう帰る?」

「いや、言うてあまり遊んでないだろ。ご飯も食べてないし」


 雛菊のためにぬいぐるみを取って、その後はプリントシール機で写真を撮っただけだ。


「ご飯にはまだ早いもんね。他に、どこか遊びに行きたいところあるの?」

「う~ん、そうだな……」


 こういう時、女の子を連れてどこに遊びに行くのが正解なんだろう?

 カラオケ――は、俺が人前で歌いたくないので、却下。

 桂だけ歌えなんて言ったら、キレるだろうし。


 ボウリングはどうだろう?

 好きな人は好きだし、学生に好まれていた記憶がある。


 もちろん、前世では非リアだった俺がボウリングに行ったのなんて、小学生時代の子供会イベントくらいだが。


「ボウリングは?」

「ん~、行ったことないから、別のがいいかな」


 ボウリングに行ったことがないのか――と思ったけれど、桂は元々特殊な環境で育っている。

 彼女の本名や彼女が《ギフト》持ちということを、学校などが把握していないのも、彼女が育った環境によるものだ。

 そのせいで、ボウリングなどの遊びを経験してこなかったんだろう。


「じゃあ、逆にどこか行きたいところはあるか?」

「そうだね……」


 桂は口元に手を当てながら、空を見上げる。

 ちゃんとどこに行くか考えてくれているようだ。

 行くところに困っても『ここで解散』と言われないのは、それだけ桂と友好的な関係が築けているのだろう。


「それじゃあ、また景色でも見に行く?」


 やっぱり桂は、景色を眺めるのが好きらしい。

 デート――って言うと桂は嫌がりそうだけど、景色を眺めに行くのも立派なデートだ。


「いいんじゃないか、それで」

「じゃあ、行こっか」


 景色を見に行けることになったからか、桂は鼻歌を歌いながら歩き始める。

 無意識なのかもしれないけど、ご機嫌になったようだ。


「桂って、本当に景色が好きなんだな」

「嫌いな人ってそうはいないんじゃない?」


 確かに、その通りかもしれない。

 少なくとも、俺は景色を眺めるのが好きだ。


「まぁ、景色を眺めに行くくらいならいつでも付き合うから、気軽に誘ってくれ」

「ん~、気が向いたらね」


 てっきりいつもの調子で、『じゃ、遠慮なく誘うね』とでも返してくるかと思ったが、意外にも前向きな答えではなかった。

 何か引っかかることでもあるのだろうか?


「あぁ、気が向いたらでいいさ」


 だけど、ここで聞くのは良くないと思い、俺は聞かないことにした。

 もし何かあって桂に話す気持ちがあるなら、自分から言ってくるだろう。

 それまでは待ったほうがいいと思ったのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『新作です……!』
↓のタイトル名をクリックしてください

数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました

『数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました』5月23日1巻発売!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
数々1巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』8巻発売決定です!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊び6巻表紙絵
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』コミック2巻発売中!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊びコミック2巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ