8話 変化
アークから自宅に戻った碧は先日の出来事を思い出し苦悩していた。アークが決めたことに従うことが本当に正しいのか、男性を殺す以外に良い選択はなかったのか、救えなかったのか。
ピピッピピッピピッ
ピピッピピッピピッ
「時刻は7時30分。朝のニュースの時間です。」
「本日のニュースは、、、」
世界はなにもなかったように朝を迎えていた。碧たちが関わった事件から2日経ったからか朝のニュースに関係する内容はなかった。
「ホンジツノ ヨテイハ 10ジカラ シゴト デス」
2日前と変わらない。2日前に2人も人が死んだことなんて感じない。感じさせないような朝だった。
アークへ行く間も世界は変化がなかった。電車のダイヤグラムも外の雰囲気も正常。だれ1人として女性が暴行で死亡し、犯人は射殺されたことなんて話題にもしない。
アーク第一課。この扉を前に碧は少し身構えた。
「おはようございます。」
「おっはよ~碧ちゃ~ん」
「おはようございます星谷さん。」
愉快な挨拶をした星谷に少し元気を貰い碧は自分のデスクに着く。少しすると隣の遠坂から
「嬢ちゃんあまり深く考えない方がいい。前に言ったように俺たちはアークの判断に従い遂行するだけだ。」
「・・・」
「時期に慣れるさ。アークの犬として牙を振るうことに。」