5話 拳銃
萩原から金属の塊を受け取った碧が困ったような顔をしていると遠坂が
「俺たちだけが持つことを許された牙だ。拳銃って呼んでる。嬢ちゃんの身を守る兵器だ。」
「けんじゅう?」
「その引き金を引けば金属の弾が高速で発射される。命中すると命が関わる。扱いには十分気をつけな。」
「分かりました。」
遠坂から拳銃の扱いを簡単にレクチャーされた後、萩原が口を開く。
「アークからの情報が更新された。容疑者を処分対象へと変更したようだ。」
「処分ってなんですか?」
碧の問に対してあきれたように萩原が答える。
「アークが管理する世界には必要がなくなったと判断された。よって我々の手で対象を殺せということだ。」
「でも、、、いくらなんでも、、、」
「嬢ちゃん、これが俺たちの仕事だ。アークを守り、アークからの指令を受け執行する。」
「・・・」
「では対象を追うぞ。」
碧は納得出来ていなかったが萩原と遠坂について行き男性を追い始める。
アークからの情報を頼りに廃ビル街を捜索し始めた三人。アークが対象の男性の場所を示したビルを目の前にしたところで萩原が小声で話しかける
「遠坂さんと桐生は下からゆっくりと捜索し、俺は隣のビルから狙う」
そう言い残し萩原は隣のビルへ静かに入っていった。
「いいか嬢ちゃん。なにを思い詰めているか大体想像できるが、対象を目の前にしたら迷わずに拳銃を向け引き金を引け。対象をもし逃がしたら第二、第三の被害者が出る。」
「・・・はい。」
遠坂が険しい表情で碧に言い二人はビルの中に入っていく。