3話 第一課
「今日からここで働く桐生碧です。」
「よろしくたのむよ嬢ちゃん。俺は遠坂克己。」
トウサカカツミ。中年の髭が似合う男性はそう名乗った。
「お前らも自己紹介くらいしたらどうだ。」
遠坂の言葉を合図にこちらに3つの視線が向いた。
「僕は星谷。星谷、星谷航。よろしくね碧ちゃん。」
ホシタニワタル。碧とそこまで年齢の差は無いように見え、スーツも少し着崩し、髪は金髪。しかし根元から地毛であろう黒色が見えプリン状態だ。
「萩原浩介。」
ハギワラコウスケ。無愛想な挨拶をしてきたが、この空間で一番落ち着いた雰囲気を出している。年齢は30代であろうか。
「・・・最後は私ね。私は神崎紅葉。女性同士仲良くしましょう。」
カンザキモミジ。年齢はおそらく萩原と同じか少し下くらいだろう。メイクは薄くスッピンでも綺麗な女性だと一目で分かる。
一通り自己紹介が終わったところで遠坂から社員証兼名札と碧がこれから使用するデスクを案内があった。碧のデスクは部屋の左角で窓に面している、そして左に遠坂、後ろを向くと神崎のデスクがある。
それぞれがデスクに戻り、作業を再開し始めた頃に碧が遠坂に問いかける。
「遠坂さん。ここってなにをするところなんですか?」
「・・・?なにって、、嬢ちゃん、まさかなにも知らずにここに来たのか?」
「えっと~・・・はい。」
「まじかよ、、、分かった簡潔に説明する。」
そう言って一息ついた遠坂はタバコを取り出し、流れるように火をつけ口元に運んだ。
「ここはアーク。それくらいは知ってるか。だが何故存在しているのかは知らないだろ。アークってのは言ってしまえば箱だ、箱の中にはこの世界を管理しているAIがある。俺らはそれを守りながら、昔で言う警察や自衛隊のような行動をしている。・・・ふぅーーー。」
煙たい。
「まあ大体はこんなところだ。」
「ありがとうございます。でも、なんでなにも知らない私なんかがアークで働くことになったんでしょうか。」
「さあな。アークがそう決めたんだろ。」
「・・・そうですよね。」
疑問が残ったままではあるが碧は遠坂との会話を終え、デスクに向かいPCの電源を入れた。
次の瞬間、各自の携帯端末と部屋の端末に通知が来た。