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桜の振り袖  作者: 白百合三咲
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イギリスの王子との恋

公式企画2作目に挑戦してみようと思います。

 それは明治時代、とある宮家に起こったお話です。


「失礼いたします。奥様」 

わたくしの部屋にやってきたのは屋敷に仕えてる執事です。

「奥様、お嬢様と思われる令嬢がお見えになりました。」

「まあ、あの娘が」

わたくしはどんなにこの日を待ち望んでいたことでしょう。




 

 



 

 わたくしの名前は高円宮暖子。日本では数知れた宮家の貴婦人ですわ。

わたくしは夫に嫁ぐまでイギリスの女学校(ガールズスクール)へ留学しておりました。全寮制の学校で級友と寝食を共にしながらテーブルマナーや英語、フランス語にダンスなど社交界に必要なことを学ぶのです。


 それはわたくしが15才のときでした。わたくしは級友ナタリーに誘われ王立の大学が主宰する舞踏会へと赴きました。

ナタリーのお父様は大学を経営しており、創立50周年のお祝いに舞踏会が催されることになりました。


最初は戸惑いましたがナタリーの家族も同伴すると言われ承諾しました。わたくしはナタリーの行き着けの洋品店で淡い桜の色のドレスを購入しました。

ナタリーのお兄様に手をとられホールへと向かいました。

まるでそこは絵本で読んだおとぎ話のような世界でした。

「お嬢さん、僕と踊っていただけませんか?」

わたくしに声をかけてきたのはブロンド髪に青い目のエメラルド色の軍服を着た美青年でした。まるで童話の王子様のような。

わたくしは何かに吸い寄せられるように手を取る。

わたくし達は踊り出しました。羽のような軽やかなステップ。わたくしは彼に一瞬にして彼に惹かれていきました。


 彼の名前はフィリップ。なんとイギリス王室の王子だったのです。

ナタリーのお父様の経営する大学に通っていたのです。

わたくし達は休日になると一緒に過ごしておりました。当然女学校は男性に同伴することは禁止してましたがフィリップ王子の計らいで特例として許可が出たのです。

 わたくし達は劇場でオペラ観劇をしたり、王子の所有する別荘で過ごしていました。

ある日わたくしはフィリップ王子様から指輪を頂きました。 

「私の妃になってほしい」という言葉と共に。


 わたくしは幸せの絶頂におりました。しかしその申し出を受けることはできませんでした。

わたくしはその頃今の夫との婚約が決まっていたのです。卒業したら日本に帰らなければいけないのですから。


 しかしその時わたくしはフィリップ王子の子供を宿していたのです。

わたくしは密かにその子を出産。卒業間近に出産した女児に「さくら」と名付け修道院に置いていくことにしました。日本から持ってきた振り袖と共に。

わたくしはその娘に立派なレディになったらその振り袖を着てわたくしに会いに来るように手紙を残し日本へと帰り今の夫と結婚しました。






 あれから15年。わたくしの娘である桜が帰ってきてくれたのです。

「分かったわ。今行くわ」 

「しかし奥様、それが」

執事が何か言いにくそうにしている。

「実はさくらお嬢様を名乗る者が2人おります。」

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