間章 オリハルコンの秘密……②
第一章完結記念で二話連続投稿ですm(_ _)m
二話目なのでお間違いなきよう……(笑)
よろしくお願いいたしますm(_ _)m
俺達はそのまま少し離れた森の入口に移動した。
「さあ、ここなら吉見さん達からも見えないだろ? 教えてくれ。お前はデュランダルの何に気付いたんだよ?」
俺達はそう言って慎太郎に詰め寄った。
「そうだぜ……まったく、お前ときたらすぐに一人で悪巧み始めやがる……たまには最初から俺達も混ぜろってんだよ」
「百回同意!! 慎太郎はケチだと思う!!」
隆太と千歳もお預けを食らってご立腹だ。まぁ、当然俺もだけどな。
「まあ、落ち着けよ……まずは論より証拠だな……とりあえず俺の仮説が正しいのか実験してみよう。清太郎、とりあえず向こうから見えない位置にデュランダルを……そうだな少し地面に刺して立ててくれ」
「?? 分かった」
俺は慎太郎の指示に従って、ちょうど昨日オリハルコンゴーレムが投げつけてきた岩の影にデュランダルを刺した。
「これでいいか?」
「ああ……じゃあ隆太、今度はお前のスキルでデュランダルに電撃をぶつけてくれ。あっ……もうスキルを使っても大丈夫だよな?」
俺達三人は……慎太郎の言葉に啞然とした。何故そんな事を?
「そりゃスキルの一つ二つ使える程度には回復してるけどよ……いいのか? もしぶっ壊れでもしたら……」
「……大丈夫だ。俺が責任を持つ。そもそも俺が持ち出したもんだからな」
「……分かった」
そう言うと隆太は、自分の腰から折りたたみ式の杖を外して、ロックを解除して展開……デュランダルに向かって構えた。
「行くぞ……『電撃飛来!』」
スキルコールと同時に隆太の杖から電撃が迸る。しかし……スキルで発生する超自然現象ってのは、何度見ても不思議でならないな……
そして避雷針ヨロシク電撃を受けたデュランダルは……電撃を喰らった瞬間真っ黒に焦げ……てない??
「なんでだ??」
俺の疑問……いや俺達三人の疑問をよそに、喜々としてデュランダルに駆け寄る慎太郎……そのまま地面に突き立ったデュランダルの柄に齧りつくほど顔を寄せると……
「やっぱり!!! 俺の考えは正しかったぞ!!! お前等も見てみろよ」
俺達は慌てて慎太郎の後を追いかけ、同じくデュランダルの柄を凝視する。すると……
「……なんだこれ? 聖遺物のレプリカ(?)が、一つ光ってんぞ?」
俺達全員の疑問を隆太が声に出して代弁してくれた。なんだこれ……どうなってんだ?? 俺は“いい加減吐けよ!”という視線を慎太郎に送る……他の二人もそれぞれジト目をぶつけているが……
「まだ分かんねぇのかよ? デュランダルは今の今までアイテムとしては機能してなかったんだよ……簡単に言えば……バッテリーが切れてたんだ!!」
――――――――――
「「「………はぁ???」」」
俺達は三人揃って間抜けな声をあげた……バッテリー?? それはあれか……神魔十大霊器の一つに数えられる『聖剣デュランダル』が……電池で動いてるってことか?
「最初のヒントは清太郎の“道具”って言葉だった。道具、アイテム、ツール……色々と呼び方はあるが、それらには作った人間の意図ってのがあるよな?」
慎太郎は興奮しているのか……言葉が溢れて止まらない。だめだ……これは暫く止まらん……
「で、今度は落ち着いてその“意図”ってのが何なのか? それを読み取ろうとデュランダルを観察してみた。勿論俺の【鑑定】じゃ、そこにある素材の種類程度しか分からないし、合金になるとサッパリだが……柄に使用されてる素材を見てピンときたんだ。柄には……金、クリスタル、そして……たぶんだけど、聖遺物のレプリカ部分には、あのゴーレムや、この刃の部分とは違うオリハルコン合金が使われてる」
いかん……もう何を言ってるのかサッパリ分からなくなってきた……
「そして……これも相当よく見ないと分からなかったが、刃筋の部分の極薄い芯金……これもオリハルコンの合金だと思う……それぞれ何を合金化したのかはサッパリだけどな」
「お前がピンときたのは分かった……出来ればその“ピン”の中身を教えてくれないか? できるだけ分かりやすく頼む……」
俺の口から出かかっていた言葉を、隆太が代用してくれた。ほら見ろ……みんな置いてけぼりだろうが!!
「ふむ……よし、先ずは論より証拠だ。清太郎、ホラッ……コイツでこの岩にスキルを使ってみてくれ」
そう言って……慎太郎がデュランダルを投げて寄越す。おいおい……大丈夫かよ? もうちょい大事に……
「何モタモタしてんだよ。吉見さん達に見られたら困るんだから早くやってくれ!」
くそ……ちょっと腹が立ってきた。元はと言えばお前が始めた事だろうが!! しかも……ただでさえヤバいバクチにデュランダルまで持ち出した癖に!!
「クソっ!! よく見てろよ……【豪剣士】!!」
俺はデュランダルを抜き放ち【豪剣士スキル】で覚える【スキルレベル1“両断”】を巨岩に向かって放った。
〔なんだ……?!〕
俺は……いつもと違うスキルの感触に戸惑いを覚えた。なんというか……表現として正しいかは分からないが……いつも感じているのが“包丁で大根を切っている様な感触”とするなら、今感じたのは“カミソリで豆腐を切った”様な感触……いや、そんな表現すら生温い程……ロクに感触を覚えなかったのだ。
俺が振るったデュランダルは……気付けば眼前の岩の……その下の地面にまでめり込み“Booomnn……”という振動音を発していた。
「…………???」
俺は、余りにもいつもと違うスキルの感触に大いに戸惑いながら岩の下からデュランダルを引き抜いた。引き抜いたデュランダルには埃一つ着いておらず、更に引き抜いた瞬間にはさっきの変な音もしなくなっていた。そして……
ーパンッ!ー
誰かが柏手をうった様な音と同時に……眼前の岩がゆっくりと左右に離れて行き……俺はデュランダルと真っ二つになった岩に視線を彷徨わせて……口をパクパクさせたまま何も言えなくなっていた。
暫くして……俺はやっと慎太郎に視線を向けられたが……未だ指で岩とデュランダルを交互に指してパクパクするのが精一杯?!?
「やっぱりな……素材からしたらそうだと思ったんだ……清太郎、それはな……全世界のSFマニア垂涎の一振り……【超音波振動剣】だ!」
野郎……凄まじいドヤ顔で言い放ちやがった!!
「バカヤロウ!! 最初から説明しとけよ!!!」
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蛇足ですが……どうも後書きには、作者の他の作品を宣伝してもいいみたいなので、お目汚しですが乗せておきます! お時間あれば是非……m(_ _)m
トランスファー “空間とか異次元とかってそんなに簡単なんですか?”
https://ncode.syosetu.com/n6961eu/
マシニングオラクル “AIが神を『学習』した世界”
https://ncode.syosetu.com/n5138fv/




