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【累計700万PV突破!】タワーオブチューン “人類で唯一人ダンジョンを攻略した男” ☆第10回ネット小説大賞『コミックシナリオ賞』を受賞!!  作者: 鰺屋華袋
間章

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間章 オリハルコンの秘密……①

暫くおやすみの予定だったんですが……(笑)


思いの外早く間章が出来てしまいました(^~^;)


第一章完結を記念して……


二話連続投稿です✧\(>o<)ノ✧


「聖剣デュランダル……フランスの叙事詩『ローランの歌』で、天使より授けられたとされる聖剣。その切れ味は並び立つ物がないと言われた“長久不滅の刃”。ローランが瀕死の重傷を負った際、敵の手に渡る事を恐れ、大理石の巨岩に叩き付けて折ろうとしたが……逆に岩を両断したエピソードが有名。か………」


 危うくオリハルコンゴーレムに殺されかけた翌日……俺達は、鼎さん達に依頼されたオリハルコンゴーレムの素材を回収する為、生き残った幾つかのパーティーと共に現場に向かっていた。


 途中、自分達の装甲トラックを修理・回収し、その足で現場まで向かう途中……俺は自分の腰にぶら下がっている『聖剣デュランダル』の由来について、携帯端末に記録してあるタワー関連データを閲覧し直していた。


「それは所詮フランスの叙事詩に記載されている話だからな……実際はその剣をタワーで発見した小佐野さん(クランマスター)が、現地で鑑定を受けた時に名前と素材が判明した……ってだけなんだが」


 俺の独り言に、隣に座っていた慎太郎が律儀に答えてくれた。それは俺も既知の逸話だが……


「でもよ……その“鑑定”は天魔スキル『叡智の天使(ウリエル)』を持ってる“フィンランドの英雄”がしたんだろ? ぶっちゃけ世界最高の鑑定士が下した結果が『聖剣デュランダル』なら、誰にもなんも言えねぇじゃんか?」


 そう言ったのは助手席で現地までのナビをしている隆太だ。本当なら、昨日の今日で無理をさせたくは無かったが……本人が「破壊されたゴーレムと現場を一目でいいから見たい」と言って聞かなかった。


「それは勿論分かってるさ。だけど……これが本物(オリジナル)の『聖剣デュランダル』で、()()使()()()()()()()()()()……相手がオリハルコンゴーレムだったとしても苦戦する筈無いんだ……たとえ、あのゴーレムが未知のオリハルコン()()製だったとしてもな」


「それは……小佐野さんが富士に出た“(ぬえ)”を真っ二つにしたって言う『聖剣スキル』の事か? フィンランドの英雄をして“発動したら……おそらく断てぬ物は無いでしょう”って言わしめたと言う……清太郎、お前は確かに凄い奴だけどな、自分がクランマスターより凄いなんて思ってるならちょっと自惚れすぎだぜ?」


 俺は慎太郎の言葉に苦笑してしまう。昨日のザマを見れば、今の俺の辞書に“自惚れ”なんて言葉は……記載ページごと破り捨てられて然るべきだ。


「分かってるさ。俺もそこまで能天気じゃ無い。そうじゃなくてな……なんと言うか……もう少し()()()()考えてみようと思ったんだ。“何故この剣がデュランダルと呼ばれるのか”って事をな?」


 そうだ……俺達はタワー産の武器ってだけで何か“魔法のアイテム”みたいに思いこんでいたんじゃないか? その証拠に……デュランダルで壊せなかったオリハルコンゴーレムの頭を……“あの人”は、ただのハンマーで粉々にしたんだからな。


「つまり……何が言いたいのよ? 」


 そこに運転中の千歳から“分かりにくい”とクレームが入った。


「そうだな……俺にもイマイチはっきりとは言えないんだが……コイツが“何か神秘的な力を秘めた奇跡の剣”ってのが、そもそも間違いなんじゃないかって思ったんだよ。つまり……コイツ、実は『俺達が()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』なんじゃないかって……な」


――――――――――


「道具か……ちょっとその考え方は盲点だったな。清太郎、少しデュランダルを見せてくれないか?」


 そう言われた俺は、剣帯からデュランダルを外して鞘ごと慎太郎に渡した。慎太郎は狭い車内で四苦八苦しながらデュランダルを抜いてつぶさにその刃を観察し始める。


「どうだ? なんか分かるか?」


「俺の【鑑定】スキルはそんなに高精度な物じゃないからな……正直“フィンランドの英雄”みたいには……ん?」


 慎太郎は刃の部分から鍔を経て、更には柄の部分にまで視線を移動しながら、全体をくまなく鑑定している。


 デュランダルの柄は、見た目には金色の枠の中に透明の素材が嵌め込まれて出来ている。更に透明な素材の中には、琥珀に閉じ込められた虫の様に4つの部品があり、そこから縁の枠に向かってこれも金色の細い線が無数に伸びている。


「どうもその中にあるのは……叙事詩から判断するなら“聖遺物”らしい。まぁ当然なぞらえてあるだけで本物のわけがないけど」


 俺はデュランダルを渡したので手持ち無沙汰になって、また端末の情報を見直していた。俺の言葉を聞いてるのか聞いてないのか……慎太郎は何故か剣の刃ではなく柄を凝視してブツブツ言っている。


「金、クリスタル……デュランダルの名……」


 今度は、“刃の部分に当たっちまうんじゃないか?”ってくらい、刃筋に目を寄せてブツブツ言い出した。


「……未知の合金……不滅の刃……ローランの()……」


「おいおい……あんまり無理すんなよ。鑑定はただでさえ集中力がいるんだろ?」


 慎太郎の目がちょっとヤバい……俺が更に何かを言おうとしたら、慎太郎は、“今は邪魔するな”とばかりに、うつむいてしまった。多分目も瞑ってるなこりゃ……


「剣術スキル……鵺……… ………()()()()()


 うつむいてブツブツ言ってたかと思ったら、今度は突然顔を天井にむけて片手で口を覆い……


「ク……………クク……ハハハハハハッ!! マジかよ??」


 今度は堪えきれない様に笑い出してしまった。俺達三人は慎太郎の様子に呆気に取られれてしまう。


「おい!! どうしたんだ? デュランダルがなんだって言うんだよ?」


 慎太郎は、ひとしきり笑い終えてから顔を片手で揉んで……


「多分だけど……()()()()気がする。デュランダルが()()()()


「「「はぁ??」」」


――――――――――


 俺達はその後……予定通りオリハルコンゴーレムの所にレイドを案内した。慎太郎は爆弾発言の後……今度は何も言わずに、


「……とりあえず現場に行こう。外に出れば、()()()()()()()()()()()()

 

 と言っても押し黙ってしまう。コイツはいつもそうだ。何を思いついたか知らないがこうなったら検証するまでは何も話さないだろう。俺達が現場に到着すると、昨日破壊されたままの姿で黄金の巨人が横たわっていた。


「……マジで()()()が粉々になってやがる……あのあんちゃん何者なんだ?」


 そう呟いた後……赫天イーグルスの吉見さんは横たわる巨人をしげしげと観察していた。


「これは……やっぱりそのまま持って帰るのは無理だな。なんとか解体しねーと……おーい、とりあえず工具出せ」


 そう言ってレイドに指示を出す吉見さんに、俺達は少し離れる許可をとった。


「吉見さん……ちょっと昨日の現場を隆太に見せてやりたいんだ。少しだけ離れても大丈夫かな?」


「ああ、構わんさ。正直こんなタイプの解体作業じゃ、お前等役にたたんしな」


「キツイぜ吉見さん」


「ハハハッ、まあそこらで周辺の警戒でもしててくれや」


「ああ……任せてくれ」


 俺達はそのまま少し離れた森の入口に移動した。


 もし続きが気になると思っていただけましたなら……是非ブックマークや下にある☆☆☆☆☆のクリックをお願いいたしますm(_ _)m


 蛇足ですが……どうも後書きには、作者の他の作品を宣伝してもいいみたいなので、お目汚しですが乗せておきます! お時間あれば是非……m(_ _)m


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