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【累計700万PV突破!】タワーオブチューン “人類で唯一人ダンジョンを攻略した男” ☆第10回ネット小説大賞『コミックシナリオ賞』を受賞!!  作者: 鰺屋華袋
第一章 塔の破壊、承り〼

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39/71

ゴーレムの討伐作戦を始める!!

なんと……日間に続いて週間でもローファンタジーランキング1位に到達しました……


もう皆さんどこまで私を喜ばせるつもりですか?!


既に涙腺がヤバいです(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

 

 その瞬間……俺の豪断とデュランダルをもってしても、よろめかせるのが精一杯だったオリハルコンゴーレムは、轟音と残響を響かせて盛大にひっくり返った……


 倒れ込んだ場所が草原だったおかげか、舞い上がった粉塵はそれほど多く無かったが……オリハルコンゴーレムが倒れた衝撃と共に広がる風が頬を撫で……俺は眼前の光景がリアルなんだと悟る。


「さあ、お姉さんの後ろに乗って!」


「だめだ! ヤツを足止めしておかないと仲間が……」


 彼女が何者かは知らないが、ここを離れてしまったらヤツは俺の仲間に引き寄せられるかもしれない。


「大丈夫よ、ほら?」


 彼女が視線を促した先には、見慣れない大型車両がこちらに向かって爆走してくる姿があった。


 ― キッ……ズザァァ ―


 その車は……ひっくり返ってジタバタしているゴーレムを見て、呆然としていた俺の仲間の前に急ブレーキで停車した。こちらからは車体に隠れて見えないが、おそらく三人を車内に引き入れたのだろう。その場でアクセルターンを決めた車の向こうには既に人影は無く、巨大なブロックタイヤに砂埃を纏った大型車両は、そのまま元来た方向へ走り出してしまった。


「早くしなさい!」


「ハイッ!?」


 どうやら仲間が無事に助けられたのを見て、俺は彼女が跨ったバイクのタンデムシートに飛び乗った。


「しっかり掴まってなさい」


 俺は夢中で彼女の腰に手をまわしてしっかりと掴まる……って、何だこのウエスト……細すぎる!? 一瞬、状況を忘れて不急の思考が俺の脳内に湧いた。が、今はそんな場合ではない。俺は顔が火照るのを無視して、彼女に返事をした。


「乗ったぞ!」


 ちょうどその時、ジタバタと暴れていたゴーレムは、大地と折り合いをつけて体を起こし始めた。彼女はオリハルコンゴーレムを一瞥し、即座にアクセルを煽ってクラッチをコントロール……二人分の体重を預けたバイクをふらつきもさせず、完璧にコントロールしてダッシュを決めた。


()()を喰らって倒れるだけで済むなんて……ミスリルゴーレムとはまるで別物ね……『離脱完了よ! やっちゃって滝沢君!』」


『無茶をするな……俺の掩護が間に合わなかったらどうするつもりだよ……』


 俺を載せた後、仲間らしき大型車両に追いつこうとしていた彼女は、ヘルメットの中で何かを叫んだが……風切音に紛れた言葉を俺の耳は捉える事が出来なかった。


――――――――――


 オリハルコンゴーレムの足跡を追跡(トラッキング)しながら行方不明のセイバーズ⊿を捜索していた俺達は、暫くの追跡行の後で湖畔から湖の中へ消える足跡を発見した。


「参った……これは流石に追跡しようがないな」

 

 湖畔に停車して車外に出た俺は、躊躇なく湖中に続く足跡を見て“ゴーレムって防水なんだな”などという益体もない事を考えていた。他の3人も車とバイクから降りて湖畔に続く足跡を見て驚いている。俺がどうしたものかと思案していると、うずくまって足跡を見ていた涼子が立ち上がって、

 

「滝沢君、この足跡はまだ抉れた土が乾いてないし、オリハルコンゴーレムはかなり近いと思うわ。このまま追跡するのは確かに無理だけど……入ったのなら何処かで出てくる筈よ。とりあえず行ける所まで湖畔の外周を廻って痕跡を探して見ましょう?」


 と提案してきた。確かに入ったのなら出てくるのが道理だ。俺は涼子の的確な判断に関心した。


「そのとおりだな。よし、急ごう」


 俺達は車とバイクに飛び乗って湖畔の外周を廻り始めた。路面の状況は劣悪だったが泥濘と言う程では無く、高機動車のトルクと大径の車輪のおかげで走行出来ない程ではない。追走する涼子も高機動車の轍を上手く利用してマシンを走らせている様だ。先程の判断といいマシンテクニックといい、流石にA級ソロのエクスプローラーだ。


 そのまま、暫く高機動車とバイクを走らせていた俺達だったが、10分としないうちに後席から環奈が、


「滝沢さん! ゴーレムの気配を捉えました! もう少し先……湖畔に近い水中に居ま……」


 環奈がそこまで言った時……少し先の湖中から金色に輝く巨体が水飛沫と共に踊り上がり、間髪入れずに湖畔に転がっていた巨大な岩を持ち上げて投げ放った!


「ヤバい!!」


 俺達は投擲した岩を追って走って行くゴーレムを横目に湖畔を走り、続く草原に踊りでた。視界の先には鈍足ながら森の側に居る数人の若者達に向かって走るゴーレム。迎え撃つつもりなのか、一人の若者が集団から一歩踏み出し……それを見た俺は、直感的にこのままでは間に合わない事を悟る。そのまま湖畔で急停車した俺は、車を飛び降りつつオープンチャンネルに向かって叫んだ。


『鼎さん! 俺はここから遠距離でヤツを牽制する!! ()()()()()()()()()()()()()()()()、あの若者を回収してこっちへ連れて来てくれ!! 莉子ちゃんと本間さんは高機動車で残りの三人をピックアップして離脱!! 俺はこのままゴーレムの討伐作戦を始める!!』


 俺からの無線を聞いた涼子は、停車した高機動車の横を無言で駆け抜ける。彼女には九階層に入った時点でゴーレムへの戦術を説明してあったが、俺自身こんな慌ただしい始め方になるとは思っていなかった。


 それでも……無言で危険な回収に向かってくれた事といい、さっきの湖畔での状況判断といい……A級エクスプローラーの実力には脱帽する他ない。


 俺は高機動車のスペアタイヤラックを開き、後部ハッチを跳ね上げると、大きく“壱”とナンバリングした超大型スーツケースを引きずり出してハッチを閉めた。その間に運転席に移動した莉子ちゃんは、


「コクピット調整完了してるっす! 何時でも出れるっすよ!!」


 既に発進の準備を整えていた。その間もゴーレムは若者達ににじり寄り、一人の若者が剣を構えて迎え撃とうと走り出す。


「行ってくれ!! 本間さんは彼らの収容を頼む!! 絶対そちらには行かせないから落ち着いて!!」


「ハイ!!」


「行くっすよ!! 兄さん、あとは頼むっす!!」


「まかせろ!!」


 涼子に続いて莉子ちゃんがアクセルを全開にして疾走を始めるのを横目に、俺はイヤホンマイクをパーソナルレンジに切り替えた。


P(プラネット)D(ディレクター)! 聞いた通りだ。やるぞ!」


『承知しました……エネルギー転換増幅と感覚器官増幅の並列励起を開始します』


「細かいコントロールは任せる。あとエネルギー転換の筋力増幅値を()()()()()()()()()()()()


『……いいのですか?』


「指一本触れさせないと約束したからな」


『……オーダー了解。増幅器官の第一リミッタを解除。骨格と筋力の増幅値を最大にチューニングします』


 俺はイヤホンでP(プラネット)D(ディレクター)に指示を飛ばしながら超大型スーツケースを開けた。中に納められた幾つかのアイテムのうち……俺は投擲競技用に作られたハンマーを取り出し、そのままワイヤーに繋がったグリップを掴んで渾身の力で振りまわし始める。


「狙いはオリハルコンゴーレムの()()()だ! いくぞ!!」


『了解、カウントダウン……3……2……1……GO!!!』


 俺はP(プラネット)D(ディレクター)が増幅した筋力を、遠心力で更に増幅し……全ての力を16ポンドの鉄球に込めて、オリハルコンゴーレムに投擲した。

 

もし続きが気になるようでしたら……☆☆☆☆☆とか貰えたら嬉しいですm(_ _)m

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― 新着の感想 ―
凄い展開♪
[良い点] 昨日見付けて一気読みしました。 王道育成物として楽しく読ませてもらってます。 [気になる点] 主人公の鈍感ぐあいてすかねぇ。 偶然とはいえ命を救われたのを惚れる理由ではないとか、じゃあ今結…
[一言] 全力でブン回したらワイヤー切れない? そこまで人外じゃない? 何れにしろ、ハンマーと言いつつ砲丸だから、まぁ兵器だな。 紛う事なく兵器だわさ。 音速でかっ飛ばせば、その砲丸が現役だった頃の…
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