グッときちゃうのよね〜
昨日に引き続き……
ローファンタジーランキングにて
日間1位
週間2位
月間10位
になっておりますm(_ _)m
恐ろしい……(((;ꏿ_ꏿ;)))
続きを考えてると、読者の皆様に満足してもらえるか不安になりますが……
とりあえず自分に書ける事を精一杯頑張りますので……どうぞよろしくおねがいいたします!!!
m(_ _)m
涼子のマシンが、八階層出口のゲートに近づくと、屯するエクスプローラー達は自然と道を開けていった。
『変な様子ね……滝沢君、なんかここのエクスプローラー達……誰かを待ってる?みたい』
『「?……了解。引き続き情報収集頼む」』
俺達3人は手前の岩陰で待機している。そこから暫くは涼子がゲート付近のエクスプローラー達と情報の交換をしていたが……
『滝沢君、事情は大体分かったわ。少し困った事になってるみたいなの……危険は無いからちょっとこっちに来てくれない?』
『「……分かった、向かうよ」』
――――――――――
ゲートで出来事の顛末を聞いた俺達は、急ぎゲートを通って九階層に上がり、通称“黄金巨人の遺跡”に向かって急いでいた。
八階層と同じく九階層も既に日は暮れているが、ありがたい事に空には月(らしき物?)が2つも輝いており、多少の地形が見える程度の明るさがある。俺はレイドが残した敗走の轍を辿ってハンドルを捌いていた。
勿論、レイドの生き残り達が寄越した情報はマップに入力しているが、撤退戦の最中の記憶をそこまで当てには出来ない。現状、痕跡を辿るのが一番間違いないな……とそんな事を考えながらハンドルを捌いていると、
『ねぇ滝沢君……本当に良かったの?』
イヤホンから涼子の声が聞こえた。俺が嚇天イーグルスのリーダー吉見聖人から、セイバーズ⊿四人の救出依頼を了承した事がよほど不思議なのか……
『「ああ、俺は莉子ちゃんと本間さんが問題無いなら構わない。何もオリハルコンゴーレムは逃げやしないからな……人命優先は当然だろう?」』
『「あたしも滝沢さんに助けられてここに居ますから……」』
『「兄さんが判断したなら何も問題無いっすよ」』
オープンチャンネルでの涼子との会話に、二人の同乗者も賛同してくれる。そもそもオリハルコンゴーレムが既に稼働状態ならば、俺が考えていた段取りは大幅に変更せざるを得ないしな。
『私はこれでもA級エクスプローラーだから、ギルドが救出に動くなら協力の義務があるけど……正直滝沢君がレスキューを優先してくれるとは思わなかったわ』
おいおい……涼子は俺の事をどんな人間だと思っているんだ?
『心外だな、俺がそんなに冷血漢に見えるのか? 人命がかかってるなら目的よりそっちを優先するくらいの分別はある……あった、多分ここが戦闘の跡だ』
俺達はセイバーズ⊿の連中が、立ち往生した仲間からゴーレムを引き離したというポイントに到着した。助かったレイドパーティから聞いたポイントの周囲には、オリハルコンゴーレムが暴れた痕跡と足跡が多数残っている。
「よし、足跡を追跡する。本間さんはゴーレムか対象の四人の気配を察知出来たら教えてくれ。鼎さんと莉子ちゃんは周囲の警戒を頼む」
『「了解!」』
俺は地面に残る巨人の足跡をヘッドライトに捉えながら、高機動車のハンドルを闇に消える足跡に向けた。
――――――――――
俺は……いや俺達は慎太郎の言葉に呆れかえっていたが……俺は不意に笑いが込み上がって止まらなくなってしまった。
「ハハハッ!! そうだよ……お前はそういう奴だったわ。まったく……俺達の中じゃ一番行儀良さそうな外面のクセに……とんでも無い事をやらかしていっつも俺達を振り回すよな」
俺がバカ笑いしてるのを見て、今度は隆太が混ぜっ返してきた。
「おいおい……お前が言うなよ。俺達が何度お前のやらかしをフォローしてると思ってやがる? 大体……」
「ちょっと待って……」
隆太が更に言い募ろうとした矢先、千歳が手振りを交えて鋭く静止する。桜色の唇に人差し指を当てて俺達を黙らせた千歳は、目を閉じて周囲の音を聞いていたかと思うと、不意に地面に伏せて耳を地面に付けた。
「……来たわ。なんて奴なの……目一杯引き離した筈なのに……」
千歳の言葉に俺達は姿勢を低くしながらも周囲を伺った。背後の森には気配が無い以上、眼前の草原の何処かにはゴーレムの姿が現れる筈だが……
既に俺達にもオリハルコンゴーレムが大地を踏みしめる震動が感じられるのに、ゴーレムは視界のどこにも居ない。
「………!?! 避けて!!!」
千歳が地面から起き上がると同時に……今迄、さざ波を湛えていた湖面が爆発し、そこから立ち上がったオリハルコンゴーレムが、直径2メートルはある岩石を俺達に向かって投擲してきた!!
「危ない!!」
位置的に一番早くゴーレムを視界に捉えた隆太が、咄嗟に俺達三人を抱えて横っ飛びに倒れこみ……ギリギリ岩塊は俺達を掠めて後ろの木に激突した。
「ぐおぅ……」
俺達に覆いかぶさった隆太の呻き声が耳元で響く……
「隆太!」
俺は反射的に隆太の下から這い出る。右肩から背中に掛けて抉られた傷に血を滲ませる隆太……俺は千歳と慎太郎に、
「隆太にポーションを!! 俺はヤツを足止めする。治療が済んだら森の中へ逃げ込め!!」
「バカ! 無理だよ!!一緒に……」
「早くしろ!!! 全員死にたいのか?! お前等が逃げたら俺も引くから急げ!!」
俺は腰に差したデュランダルを引き抜き、背中のシールドを左手に持ってオリハルコンゴーレムに走り出す。ヤツは既に湖から草原に上陸し、おそらく?走っているのだろうフォームでこちらに向かって来ていた。
俺は、これで最後になるだろうスキルを二重発動する。
「【身体強化】!【豪剣士】!!」
俺が持つ二つのスキルを全開で発動し、ヤツへ疾走した俺は、左手の盾をヤツの頭部……恐らく目の部分に投げつける。ヤツは棍棒かと見紛う腕を上げて盾を弾くが……一瞬視界が塞がれば上等!!
俺は疾走から渾身の力で飛び上がり、ヤツの視界が塞がった一瞬で視界から外れ……豪剣士スキルレベル2“豪断”を放った。
ーズガンッー
俺の放ったスキルはヤツの頭上に命中した……が、それでもヤツの頭をカチ割る事は叶わず、オリハルコンゴーレムに僅かな傷とたたらを踏ませたのみだった……
俺は、まだスキルの効果があった身体能力でヤツの頭部を蹴りつけ、更によろめかせつつ蹴りの反作用で距離をとる。その時……俺へ駆け寄ろうとする千歳の腕を掴み、隆太に肩を貸して森へ入って行く慎太郎が視界の隅をかすめた。
「くく!! スキルはこれで打ち止めだけどな……簡単に潰されると思うなよ!!」
俺は慎太郎達に気づかれない様に最後の気力を込めて吠えた。
オリハルコンゴーレムは、目論見通り慎太郎達には目もくれず俺へ迫って……
来るヤツと俺の間に、突然でかいバイクを振り回してジャンプスーツを着込んだ女が割り込んで来た?!?
「お姉さん……そういう“まるで漫画みたいな熱い子”に、グッときちゃうのよね〜」
なんだこれ?!? なんだこれ!?!
眼前に立つ女と背後に迫るゴーレムのミスマッチに思考が混乱する。それとも……走馬灯ってこんな幻覚なのか??
だが、混乱していてもゴーレムが迫って来るのは現実の筈だ。俺は反射的に幻覚に向かって「危ない!!」と叫んだ……が、
― シュッ ―
それは一体何だったのか……その時の俺には分からなかった。
俺の動体視力を持ってしても霞んで正体不明の何かが、バイクの女の上を通り過ぎてオリハルコンゴーレムの頭部に命中する?!
― ドゥンッッ……ンン〜 ―
その瞬間……俺の豪断とデュランダルをもってしても、よろめかせるのが精一杯だったオリハルコンゴーレムは、轟音と残響を響かせて盛大にひっくり返った……
もし続きが気になるようでしたら………是非☆☆☆☆☆とか貰えたら嬉しいですm(_ _)m




