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一緒に帰ろう

 二学期が始まり、テスト結果で席替えがあり。天音は前方窓際、ユージは最後部窓際。ユージはあんな感じだが頭は良かったようである。


 そして、またあのイベントがやって来る文化祭だ。


「今日の学活は文化祭についてあれやこれや決めてねーっ。えっとじゃ学級委員に丸投げしまっ」


 前に立つのは船越学級委員よりは勢いが劣るが真面目な男子生徒。工藤(くどう)君だ。メガネをかけ、伸びた時を見たことがないほどいつも同じ長さでキープされた黒髪は少しくせ毛がカールして前髪部分が頭皮とおでこの境目に並ぶ。


「あっでは、次の中から挙手で決めましょう」

「「「はーいっ!!!」」」

 このクラスは返事は良い。


「1 タピオカ屋さん 2 本屋さん 3 ヨガスタジオ」

「ちょっと待ってー女子かよ」

「これ誰案?!」

「本屋さんて、何するの……古本屋?」

「まじで、エロ系でもいい?」


「はいはいっストップーお前ら文句言うなら一から案出せっ!」

 と村上先生のフォローで、俯いていた工藤学級委員も顔を上げた。


「じゃ、じゃあ……今からクラスのグループトークに打ち込んで下さい。すぐアンケート作成しますっ」

 と工藤学級委員は本気を出してきたのだ。


「結果発表します。お お化け屋敷(ゾンビ退治)」

「やったー!」


「これ誰案?」

「はーい」と手を上げたのは勝太郎である。

「では水木君メインで、細かな準備を進めましょう」

「「「はーいっ」」」


 ゾンビメイクをし、クラス半分がゾンビになりきるらしい、残りは受付や水鉄砲補充、客は水鉄砲でゾンビを退治する。噛まれたらアウト。客は背中とお腹に貼り付けた紙に口紅塗りたくりのゾンビに口型付けられたら噛まれたと見なす。

 見事生還すれば、豪華特典をもらえる。


「ゾンビやりたい人手上げてください〜」

「はーいっ」「はーいっ」

「あと七人」

「…………」


「じゃ、今から先生が目瞑ってこのマグネット渡して回るから渡されたらゾンビな。ゾンビになるの決まってる奴は前にでろ〜」

 やっぱりしゃしゃり出たい村上先生であった。


 目隠しをされ七つのマグネット片手に工藤学級委員に回される先生。

「では今から七つの罪を配る 得たものは魔力をつかって……」

「先生っもういーからっ」

「スタート!」

 ふらふら ふらふら ドンっ 目が回りドアにぶつかり、次は誰かの机に激突。

 他のクラスの教師が見たら酷い光景である。


 なんとか七つを配り終え決まったのだった。

 杏里はマグネットを貰わず。

 天音は貰ったのである。村上先生はきっと天音めがけて配ったような疑惑が一部からあがった。

 勝太郎とユージは最初から挙手したゾンビ組だ。



「やべっ手つりそう」と勝太郎は客用のエプロンみたいな被るタイプの白い紙を作っていた。

「これさ、焼肉屋から貰ってきたらいんじゃないーっ」

「しょーたろ!楽しようとばかり考えないっ」

「楽をする追求が発明を生むんだぞ」

「じゃ、他人任せにしないっ」


「このエプロンみたいなんに、ゾンビはチューするんやろ?でも水鉄砲攻撃受けたら、その場で停止?」

「うん」

「ヤバないっ!水鉄砲やられまくるやん」

「部屋暗くする?」

「少ししよっか」




 放課後


「天音 帰ろか〜」

「あ」

「ん?」

 後側の扉から幸太郎が入ってくる。


「天音!天音!」

「なになにどないしたんっ」

「あ 天音」

「なに?」

 天音になに?と言われると一時停止する幸太郎。


「あ 一緒に帰ろ」

「…………」ちらりとユージを見る天音。


「ユージ君、今日は俺が天音と帰るから。天音いい?」

「あ うん」


 しばらく何も言わなかったユージがふと我に返り

「明日は〜?俺の番?」と言ったときにはもう二人は居なかった。



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