表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/45

完全なるエラー

「こーちゃん 兄弟は絶対仲良くしないと」

 真面目に説得するのは水木家にあがりこんだ天音である。自分を好きだと言う男の家に上がり込むのだからやはりアブノーマルである。いや目の前にいる優しい男を信頼している。


「それは分かってる。しょうは大事だ。でもさ……天音を好きになったらだめなのか。なんで……」


 これは完全なるエラーである。

 ターゲットが目標達成出来れば付添人は改めて自分の人生をやり直し出来る。と聞いているが、例えば目標達成に付添人が必要不可欠なポジションで関わったらやり直しはいつになったら叶うのだと、天音は心配で仕方がない。

 付添人のまま、ずっと今から数十年幸太郎に性別不明なまんま嫁として寄り添うなど御免こうむりますである。


「とにかくっダメ!無理なもんは無理!!」


「天音は他に好きな人がいるのか……」


「あ……杏里」

「は?え?!」


 とっさに出た名前に驚きを隠せない幸太郎。まさか、まさか天音は.....そっちかと。

 しかしそれなら、ある意味納得がいく。男として傷つかずに済むのかもしれない。


 対する天音は、きっとどっちでも無いのである。


「か 帰るね」バツが悪くなった天音は水木家を後にする。が、付いて来た幸太郎。

「もう暗いから送る」


 二人は夜道を無言で歩く。

 頭の中では色々と巡るが何も会話は生まれずにいた。


 がその時


 幸太郎が「あ!」と叫ぶ。

 新築工事現場から、鉄の束が降ってきたのだ。

 とっさに天音をかばう幸太郎。

 しかし、その幸太郎を力いっぱい押し退けた天音は見事に鉄の下敷きとなった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ