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お題シリーズ2

人形姫の物語

作者: リィズ・ブランディシュカ



 とある国に人形でできたお姫様がいました。


 それは孤独な王女様が、亡くなった娘を模して作った人形です。


 お姫様だけど人形なので、自分ではどこかに移動する事もできません。


 口が動かないので喋る事もできませんし、表情が動かないので笑う事も、悲しむ事もできません。


 人形姫はただ、国民の目を楽しませるだけの存在でした。


 しかし、人形姫には心がありました。


 どこかに行きたいと願い。


 何かを喋りたいと思い。


 笑ったり、悲しんだりしたいという望みがありました。


 糸を付けられて、舞台を用意されて、豪華な服を着せられて、踊ったりする事はあります。


 人々はそれを見て、歓声を上げ、たのしんでくれます。


 しかし、人形姫の心は満足しません。


 そのうち人形姫の元に、魔女がやってきました。


 その魔女は言います。


 貴方に自由な体を与えましょう。

 その代わり、それはたった一日だけ。

 それでも良いというのなら、願いを思いを望みをかなえてあげましょう。


 人形姫は、ためらうことなく頷きました。


 するとたちまち、魔女のおかげによって人形の体が動くようになりました。


 人形姫は思い通りになった体で、思いっきり楽しみます。


 しかし期限はたった一日。


 その後は、再び元のような日々の繰り返しでした。


 人形暇は、以前と同じ日々に戻ります。


 けれど、たったそれだけだというのに、人形姫の心は壊れてしまいました。


 人形姫は分かってしまったのです。


 心のままに動ける幸せを。


 一度知ってしまったからこそ、これから絶望が続く事に耐え切れなくなってしまったのでしょう。



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